新型コロナウイルスの流行によって、自粛要請や休校などさまざまなところで影響が出ています。
中には、内定の取り消しや突然の解雇などで失業する方も多く、今失業をしていなくても長引く自粛要請で、先行きが不安だという方も多いのではないでしょうか。
転職したくても経済市場の悪化で、採用活動を縮小している企業も出始めているのが現状です。
そこで今回は、新型コロナが転職市場に与えている影響と、今しておくべき5つの転職準備についてご紹介します。
新型コロナによる転職活動への影響と変化
新型コロナの影響で採用活動にも変化が
新型コロナの感染者数が増え、落ち着かない日々が続いている今、健康面や精神面での影響も気になるところですが、日本や世界の経済にも深刻な影響を与えています。
飲食業やサービス業など、休業を余儀なくされるところや、メーカーや工場などの生産がストップするところが出てくるなど、経済的にひっ迫した状況が続いています。
出典:日本経済新聞
厚生労働省が4月28日に発表したデータによると、3月の有効求人倍率が1.39倍で、前月に比べて0.06ポイント減少しているという結果に。
有効求人倍率とは、仕事を探している人1人に対し、企業の求人数が何件あるかを示しています。
つまり、仕事を探している人に対して、求人数が上回っていればいるほど、有効求人倍率は高くなるため、現在では仕事を求めている人に対して求人数が減少しているということが分かります。
これは3月時点でのデータにすぎず、今後、新型コロナの感染が拡大したり、長期化したりすることによって、もっと景気が悪くなることも予想されます。
中には、転職の内定が決まっていたのに採用を取り消しとなったという方も。
3月中旬 内定取り消し
↓
転職活動再開
↓
4月上旬 別会社に内定
↓
再び内定取り消しの危機←now【結論】コロナはクソ
— も (@bababayashi12) April 24, 2020
すごいね!
やるじゃないすか!知り合いの人が美容師の講師から転職で、
ネイルサロンに内定決まってたんすけど、
辞めた直後に、コロナで内定も取り消しになって無職になりましたよw— まさやん (@kkyuun007) April 27, 2020
しかし、一方で企業側も対応を決めかねているところも多くあります。
出典:学情
株式会社学情が4月に行った企業へのWEBアンケート調査によると、緊急事態宣言を受け、今後中途採用の採用計画数への影響に関して、「当初の計画通り」と回答したのが46.8%、「まだわからない・検討中」と回答した企業が47.6%とそれぞれ半数ずつという結果になっています。
業界や企業規模によっても明暗が分かれている
出典:エン・ジャパン
これは、エン・ジャパン株式会社が運営している「ミドルの転職」で転職コンサルタント行った調査の結果です。
「現状でも継続して採用活動を行っている企業は全体の何割程度あるか」という質問に対し、「5割~7割」と回答した方が37%、「8割以上」と回答したのが48%と、85%の転職コンサルタントが「半数以上の企業が採用を継続している」と回答しています。
出典:エン・ジャパン
さらに注目すべきなのは、現状を好機ととらえて積極的に採用活動を行っている企業が全体の37%もあるということです。
また、ITやWeb・通信などが好調である理由として、
- 採用活動の柔軟性
- テレワークの導入
などが挙げられます。
多くのIT系ベンチャー企業では、選考方法を早くから対面ではなく、オンライン面接に切り替えるなどの柔軟な対応ができていたことが強みと言えます。
このことから、現在転職者の中の間でもIT・通信・インターネット業界に魅力を感じている方も増えてきています。
出典:学情
20代専門の転職サイト「Re就活」が行った調査によると、20代の転職希望者が魅力に感じている業界のトップがIT・通信・インターネット業界という結果が出ています。これは、2020年1月比で3.7倍に増えており、若手のIT業界への転職意欲が高まっているということを指しています。
業界によってはテレワークを行えないところもあることから、こういった感染症の流行にも影響を受けにくいIT・通信業界への関心が高まっているのです。
選考のやり方や業務内容にも見直しがされている
一番は、対面での面接ではなく、オンライン面接の導入がされたことです。
現在採用活動を行っている企業の中には、オンライン上で映像を通してやり取りが行える、「Zoom」や「Skype」を使ったオンライン面接を導入しているところも増えてきています。
直接足を運ばず面談ができ、優秀な人材を採用することができるのです。
このように、従来までの書類選考から面接、研修などの流れが大きく変わり、オンライン上で選考や業務を行えるような体制を整えられるよう、見直しがされてきています。
転職活動は今してもいい?やめるべき?
コロナ禍でも転職はしてもいい?
新型コロナの影響で失業してしまった方や、すでに退職をしてしまった方にとって、転職活動をすぐにでも始めたいもの。さらには、新型コロナの感染対策など企業によっても対応の差があったことで、現職に不安や不満を抱えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、現状、多くの企業が経済的に不安定な状態が続いています。
転職サイトでの履歴書添削サポートが受けられなくなっていたり、コンサルタントからの求人紹介が受けられなくなっていたりと、転職サイトや転職エージェントにも少なからず影響が出ています。転職フェアや個別面談が中止になっているところも。
と焦って転職活動をしてしまうと、条件の悪い求人に採用が決まってしまう可能性もあります。
転職活動をしてもいい人としない方がいい人にも分かれる
転職活動は基本的に今はするべきではないですが、
- 今転職活動をしてもいい人
- 今転職活動をしない方がいい人
にも分かれます。
特に今後、未経験から他業種・職種への転職が難しくなることも予想されます。
転職活動をしてもいい人
- キャリアやスキルに自信がある方
- 現在と同じ職種や業種に転職する方
転職活動をしない方がいい人
- 自分のキャリアやスキルに自信がない方
- 未経験から他業種・職種に転職したい方
いますぐ仕事をやめるべきかどうかもポイント
基本的には、仕事に就いている場合には、現職を続けつつ、業界動向を探ることが大切です。
ですが、
と思っている方も中にはいるのではないでしょうか。
たとえば、
- 新型コロナの影響で自宅待機・テレワークになり、先行きが不安で転職がしたい
という場合には、自分から現職を辞めるよりも、時期を待って転職をした方が、良い条件で転職できる可能性があります。
逆に、
- 現職で心身的に支障をきたしている・・・
という場合には、転職先が決まっていなくても、仕事を辞めることを検討しましょう。
- 新型コロナで自粛を求められているのに、会社に強制的に出社させられる・・・
- 上司からひどい扱いを受けている・・・
など悩みを抱えている場合には、自分の体を守るためにも、休職や離職を検討することも大切です。
良いタイミングで転職活動ができるように備えることが大切
新型コロナの影響で転職しようとする方も多いと思いますが、日本全体が現在不安定な状況にある中で、転職活動を行うことはそれなりにリスクを負うことを理解しましょう。
コロナ禍だからこそやっておくべき5つの転職準備
今できることを見つけることが大切
という方は、時期を待って転職活動を行うことも大切です。
今後、感染の拡大や自粛要請がいつまで続くのか、不透明な状況にあります。
転職活動には、履歴書の作成や企業分析などやるべきことがたくさんあります。
今やっておくべき転職準備
今やっておくべき転職準備は全部で5つあります。しっかりと準備をしておきましょう。
1.オンライン面接の準備をしておく
ZoomやSkypeなどのアプリを入れ、使い方に慣れておくようにしましょう。
また、オンライン面接を行える場所の確保も大切です。
2.企業分析や自己分析を行う
特に企業分析や業界分析を行うことで、今後の自分のキャリアを見直すきっかけとなることもあります。
今回の新型コロナの感染で、今自分が勤めている業界や企業に疑問を感じている方も多くいます。
3.情報収集をしておく
また、人と話すことも大切です。
友人や職場の人など話をする機会を持つことで、思わぬ情報を得られることもあります。
4.履歴書の作成を行う
転職活動があまりできない今だからこそ、時間をかけて、履歴書のレジュメを作ったり、自己PR文の作成をすることができます。
5.現在の仕事で実績を作る
たとえば、新型コロナの影響で業務などが縮小されているところも多いですが、
- 販売を通販に切り替え、売り上げ達成に貢献しました
- 業務効率を見直し、個々の業務内容をオンライン上で管理することで残業や個々の業務負担を減らすことができました
など、逆境を乗り越えて実績を作ることで、採用活動にもプラスに働きます。
冷静に準備をしておくことでコロナ後の転職を乗り切れる
新型コロナの影響で転職活動にも不安を感じている方も多いですが、すぐに転職をするのではなく、今できることを見つけ、冷静に準備を行うことで、コロナ終息後の転職活動にもプラスに働きます。
知識を蓄えたり、しっかりと備えることは転職活動だけではなく、今後のキャリアにも大きな影響を与えるため、今はその準備期間として捉えておくと良いでしょう。
まとめ
新型コロナの影響で、転職市場にも大きな影響があり、中には内定の取り消しや採用の縮小を行っている企業も少なくありません。
- オンライン面接の準備をしておく
- 企業分析や自己分析を行う
- 情報収集をしておく
- 履歴書の作成を行う
- 現在の仕事で実績を作る
など、コロナ禍での転職活動に不安を感じている方は、今回の記事で、今やっておくべきポイントをおさえておきましょう。