転職活動を進めていく上で欠かせない履歴書。転職サイト上で履歴書の提出を求めたり、郵送を行ったりと、書類選考を行う中での重要な書類として使われています。
履歴書の内容次第で、今後の選考結果を大きく左右することも。
そこで今回は、履歴書の基本的なルールや作成する際のポイントなど、履歴書の書き方について解説します。
履歴書の基本項目とルール
履歴書の基本項目とは
出典:パソナキャリア
履歴書の基本項目は、大きく分けて
- 写真
- プロフィール
- 学歴
- 職歴
- 免許や資格
- 志望動機
- 本人希望記入欄
の7つに分かれています。
使用する履歴書や、転職サイトの入力項目によって項目に若干違いはあるものの、基本的にはこの7つの項目で構成されています。
履歴書の基本的なルール
履歴書は転職者のこれまでの学歴や職歴を表す重要な書類です。
履歴書作成の基本的なルール
- 誤字・脱字をしない
- 年月はズレや間違いがないか確認する
- 資格や会社名は正式名称で書く
- 基本項目はすべて埋める
- 企業からの指定されたことを守る
履歴書の作成をする前にルールを確認しておき、ミスをしてしまわないように注意しましょう。
転職サイトで応募した場合、企業から提示されるWEB履歴書の入力項目や、紙の履歴書の送付方法が異なる場合があります。
- 顔写真の貼り付けは必須項目となっているか
- 志望動機や自己PR文の記入がされているか
- 企業が求める応募条件を満たしているか
など、今一度、企業の応募要項を確認しておきましょう。
履歴書の送付ミスや、入力不備などがあることで、採用担当者の時間を余分に費やしてしまう可能性もあります。
採用担当者は毎日複数の転職者の書類を確認しています。
ルールが守られていないと、
- 「業務上でもミスが多いのでは」
- 「ビジネスマナーが備わっていないのではないか」
など、スキルや経歴に申し分なくても、転職者の人柄やマナーを疑われてしまい、書類選考の結果に影響を与えてしまう可能性もあります。
履歴書の内容次第で合否が分かれる
履歴書は、自分のこれまでの実績や今後の希望を分かりやすくまとめたものです。
と思ってしまいがちですが、履歴書の重要性は、転職者が進もうとするキャリアにもよります。
出典:エン ミドルの転職
これは、エン ミドルの転職者が企業の採用担当者へ行った調査の結果です。
書類選考の目的に関して、41%が「全く対象外の応募書を外すため」と回答し、面接を重視した採用を行っているという結果になっていますが、29%が「採用できないそうな人しか面接しないため、かなり絞り込む」と回答。さらに、14%が「採用職種、ポジションによってかなり異なる」と回答しています。
この結果から、第二新卒や未経験OKの求人などでは、応募条件や最低限のルールさえ守っていれば書類選考に通る可能性が高いと言えますが、キャリア重視のところや専門性の高い求人となると、書類の内容次第で結果が大きく異なるということが分かります。
たかが書類選考と思ってしまいがちですが、
- キャリアアップをはかりたい
- 高年収の求人を狙いたい
と希望条件が高くなればなるほど、書類選考を突破することが難しくなるもの。
合否を分ける!履歴書作成のポイント
ここからは、具体的な履歴書作成のポイントと、よくある履歴書の疑問について解説していきます。
各項目ごとしっかりと記入することが大切
履歴書と一口に言っても、前述したように履歴書には大きく分けて7つの項目があります。各項目ごとにしっかりと記入することが大切です。
経歴やスキルは偽りようのないものなので、記入できる内容も限られてきますが、志望動機はあまりにも空白が目立ってしまうと、「やる気がない」と思われてしまい、本来であれば受かるはずだった人材でも、書類選考で落ちてしまう可能性もあります。
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履歴書作成のポイントと記入例
それでは具体的に履歴書作成のポイントと記入例を見ていきましょう。
1.履歴書写真
まず履歴書の写真についてです。
顔写真がなく文字だけだと、転職者の経歴やスキルは分かっても人柄や雰囲気などを知ることができません。
履歴書の写真の基本ルールは、
- サイズは縦4cm×横3cm
- 背景は青、白、グレーの中から選ぶ
- 撮影してから3カ月以内のものを使う
- ジャケットやシャツを着用する(男性の場合はネクタイも必須)
- 帽子やサングラスなどの装飾品はつけない
- 撮影は正面から
の6つです。
履歴書の写真は、スピード写真や写真館で撮影したものが一般的です。
さらに、基本ルールに加え、5つのポイントを意識すると、採用担当者に好印象を与えることができておすすめです。
- 清潔感ある服装や髪型を意識する
- 自然な笑顔を心がける
- 正面から撮る
- 姿勢を正す
- 明るさを調整する
面接で会った後であれば、「緊張していたのかもしれない」と採用担当者から思われるケースもありますが、書類選考時に履歴書を提出する場合には、まだ会っていない段階で転職者を評価します。そのため、顔写真の表情や姿勢などが特にみられるのです。
履歴書の写真を撮るとなるとかたくなってしまいがちですが、
- 口角を上げる
- 前髪が額にかからないようにする
2.学歴・職歴
履歴書の場合、学歴と職歴はそれぞれ時系列にあわせ、箇条書きで記載するのが基本です。
学歴例
- 2005年 4月 〇〇市立〇〇高校 入学
- 2008年 3月 〇〇市立〇〇高校 卒業
- 2008年 4月 〇〇大学〇〇学部〇〇学科 入学
- 2012年 3月 〇〇大学〇〇学部〇〇学科 卒業
ポイント
- 学歴は最終学歴の1つ前から記入する
- 学校名は正式名で記載する
- 専攻や学科などもきちんと記載する
- 「同」や「〃」などの省略記号は使わず、長くても正式名称を記入する
職務歴例
- 2012年 4月 株式会社〇〇 入社
- 2015年 4月 〇〇部係長 昇格
- 〇〇月末退社予定
ポイント
- 異動や昇進なども記載する
- すでに退職している、または退社予定日が決まっている場合には退職日を記載。まだ勤めている場合には、「現在に至る」と行末に記載するのを忘れずに
3.志望動機
志望動機は、履歴書の中でも採用担当者が知りたい重要な項目。
文字数制限や記入するべき枠にあわせて文字量を調整することも大切です。
志望動機例
現職でエリアマネージャーとして採用担当を行ってきた経験から、人事職として貢献したいと考え、志望しました。貴社では、「風通しのよい職場環境を目指す」という理念のもと、研修制度や人事部との面談など、1人1人の従業員が前向きに業務を行うことで、会社全体の活性化を目指しておられます。これまでの採用経験を活かし、貴社の人事部として参加することで、商品開発や営業など多くの従業員のサポート役として貢献していきます。
ポイント
- 結論から入り、だらだらと文章が続かないよう意識
- その会社ならではのメリットを挙げ、なぜその企業に入りたいのかの理由を明確にする
- その会社でどんなことが貢献できるかを書くことで自己PRを含める
- 「思います」「考えています」などの曖昧な表現は使わない
4.資格・スキル
略称でも十分伝わると思っていても、正式な名称で書くのが履歴書のルールです。「正式名称もきちんと書けない」と不名誉なレッテルを貼られてしまわないよう注意しましょう。
また、資格やスキルは持っているものはなんでも書けばよいというものではありません。
今後の職種で不必要なスキルについても記載しないように注意が必要です。
特に転職サイトでは、WEB履歴書などを公開してスカウトを受ける機能を持っていることもあります。その際に、不必要なスキルを書いていると、自分の希望する職種や業種ではないところから声がかかることもあります。
5.自由記入欄や備考欄の使い方
履歴書の最後には、自由記入欄や本人希望欄などの備考欄が設けられている場合があります。
本人希望欄には、
- 希望職種(複数募集している場合)
- 希望勤務地
- 希望雇用形態(契約社員、正社員など複数ある場合)
- 希望給与額
- 転居予定
などを記入しておくことができます。
複数の職種や雇用形態を一度に募集している場合などにはあらかじめ記載しておくと、採用担当者が聞く手間が省け、書類選考や面接などがスムーズに進む場合が多いです。
採用担当者が見ることを意識した履歴書を心がけて
採用担当者は1日に多くの転職者の応募書類を確認したり、選考を行ったりしています。
そのため、志望動機が長々と書かれていたり、基本的なルールが守られていなかったりすることで、採用担当者の時間を余計にとってしまう可能性があります。
履歴書で心がけるべき重要なポイントは、採用担当者に「会ってみたい」と思ってもらえる履歴書を作成することにあります。
- 各項目ごとにしっかりと記入する
- 正式名称で書く
- 志望動機は分かりやすく簡潔に書く
などのポイントを意識して、履歴書を書くようにしましょう。
履歴書に関するQ&A
よくある履歴書の失敗例として、学歴や職歴、スキルなどが足らないからと、嘘の経歴や資格を記入してしまうことが挙げられます。
経歴は嘘がつけないもの。経歴やスキルがあまりない場合には、志望動機や自己PR文が一番重要となります。
- なぜ未経験からこの仕事を目指すのか
- 経歴やスキルのなさをカバーして、企業にどんなことを貢献できるのか
など、経歴やスキル以外のところでアピールを行うようにしましょう。
募集要項などを満たしているのに書類選考に落ちてしまう場合、複数の応募者が殺到し、よりスキルの高い転職者を優先している可能性がありますが、自分の魅力が正しく伝わらなかったからということも考えられます。
履歴書の添削を行った上で、
- 企業分析や自己分析が足りているか
- 基本的な履歴書のルールが守られているか
などを確認する必要があります。
志望動機や自己PR文を作成するためには、企業分析や自己分析が欠かせません。
- 企業のどこに魅力を感じたのか
- その企業で自分が活躍できるのは何か
ただ漠然と、
と言っても、具体的に何ができるのかを伝えなければ、転職者の良さを正確に伝えることはできません。
このように具体的なエピソードや数字を伝えることで、より魅力が伝わりやすくなります。
まとめ
- 顔写真
- 学歴・職歴
- 志望動機・自己PR文
- 資格・スキル
- 自由記入欄や備考欄の使い方
各項目ごとのポイントをおさえた上で、しっかりと記載するようにしましょう。
一番重要なポイントは、採用担当者が見やすい履歴書を心がけることにあります。
などの方は、今回の記事で、履歴書の基本的な書き方を学び、転職活動を有利に進めましょう。