適性検査をなめてませんか?転職での適性検査をクリアする方法と企業が重視する項目を解説

中途採用のシーンでも増えつつあるのが「適性検査」です。

企業と転職者のミスマッチを防ぐためにも有効な適正検査ですが、応募者の中には適性検査を安易に捉えて不採用の原因になってしまった人も少なくありません。企業は適性検査から転職者の人間性や基礎能力を分析しています。

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「どうしてもこの企業で働きたい」

こういった強い意志があるにも関わらず、適正検査で不採用になってしまうのは非常にもったいないことです。転職活動で適性検査を突破するには、どのようなポイントを抑えるべきなのでしょうか?

そこで今回は、転職における適正検査で企業が判断していることや、事前対策など押さえておくべきポイントを紹介します。これから転職活動を行っていこうと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

企業が適性検査を実施する理由

新卒採用だけでなく、中途採用の場でも増えてきた適性検査ですが、企業は転職者に対してどういったことを重視しているのでしょうか?企業が知りたがっていることを理解できれば、適性検査の大切さも把握できるでしょう。

企業が転職者に対して適性検査を行うことで

  1. 募集している職種に合った人物か
  2. 求めている人物像とマッチしているか

という2つのポイントを分析しています。

募集している職種に合った人物か

誰にでも好き嫌いがあるように、職種には向き不向きがあるものです。

計算が苦手の文系の人間が会計士をするよりも、計算が大好きで得意な人の方が仕事が早く進むでしょう。書類審査や面接ではこういった個人の能力を判断することは難しいものです。適性検査であれば基礎的な能力を分析することができます。

1人1人の応募者に対して個別に能力調査を行うことは、経費や時間なども含め大きな労力がかかります。その点、適性検査なら後に応募者に対して平等かつ、企業側としても冷静な分析をすることができるでしょう。

社会人としての基礎的なスキルはもちろん、職種に特化した個人の能力を分析することができれば、数多くの応募者の中から最適な人材を効率的に見つけることができます。企業にとってはコストをかけずに有料な人材を探すことができる優れたツールになっています。

求めている人物像とマッチしているか

転職を志望する人間と企業が求める人物像は必ずしも一致するわけではありません。企業にはそれぞれ「色」があり、経営方針や見据えるビジョンも異なります。この点も適性検査を実施することによって大まかに判断することができます。

どんなに優秀な人材であっても、企業の色とマッチしていなければ長期的な視点でデメリットが多くなるでしょう。新たな社員を見つけるということは慎重に慎重を重ねて行われるものです。

適性検査を行うことで、企業に合った人物像を厳選することができるでしょう。転職者は新卒と比べて固定観念がハマっている人も少なくありません。今まで培ってきた社会人としての人間性と企業の方向性を照らし合わせることができるのも適性検査ならではです。

このように企業は適性検査で実に重要な要素を分析しています。書類審査や面接とは異なる特徴を持つ適性検査は、応募者の基礎能力から企業との相性まで冷静に分析することができます。低コストで応募者のデータが取れるのが自己分析の魅力と言えるでしょう。

適性検査の種類と特徴

ここでは適性検査の種類や特徴を詳しく解説していきます。どんなテストが行われるのかを把握していなければ、本番で墓穴を掘ることになってしまいかねません。リラックスした状態でテストを受けるためにも、適性検査の概要をしっかりと頭に入れておきましょう。

適性検査には

  1. 能力検査
  2. 性格検査

の2つの種類があります。

能力検査と、性格検査にはどのような違いがあるのでしょうか?ここでは特徴と目的の異なる2つの検査の概要やポイントを解説していきます。

1.能力検査

適性検査1つ目は「能力検査」です。

能力検査の特徴は

  • 基礎学力
  • 論理的思考

などを中心に検査していきます。

役割としては募集する職種に対して、必要な知識や能力が満たされているかを判断するためにあります。募集している仕事に対して対応できる人材なのかどうかを分析できるため、企業としては採用・不採用の1つの判断材料にすることができます。

また、学力が一定の水準に達していない応募者を見極めることにも活用されています。転職市場には同じような能力を持った人材が沢山いるものです。同じスキル、同じ年齢だった場合、能力検査によって評価を下すことも十分考えられます。

能力検査は学力テストのように「〇〇点以上で合格」というような合格点を公開しているわけではありません。問題内容は下で詳しく紹介しますが、基本的な学力があれば問題なくクリアできるものが多いです。

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応募者の基本的なスペックを確かめるような検査なので、ここで躓いてしまうと次のステップに進むことは難しいでしょう。気を抜かずに問題を解いていくことが大切です。

2.性格検査

適性検査2つ目は「性格検査」です。

性格検査の特徴は

  • 応募者の性格
  • 企業とのマッチング性

などを中心に検査します。

一般的には「はい」か「いいえ」で回答していく問題です。問題をすべて回答することで、応募者の性格を診断できる仕組みになっています。

性格検査では、企業の掲げるビジョンや経営方針と、応募者の性格がマッチしているかを分析するために用いられています。企業側のニーズに対して最適な人材を選ぶために活用されることが多く、面接では分からない点も補足できるようになっています。

性格検査は個々の性格を分析するために行われる検査のため、回答に正解や不正解が存在するわけではないのです。問題には素直に回答する必要があります。ただ企業は「自社とミスマッチがないか」を検討しています。そのため不採用に傾くような回答をしないように心がけることが大切です。

性格検査では、仕事に対して大らかに業務を行う人や細かくチェックするのが得意な人など、人それぞれの特性をチェックしています。企業に対してプラスに働くように回答を偽ることもできますが、長期的な視点で見ると辞めておいた方がいいと言えるでしょう。

適性検査には「能力検査」と「性格検査」という特徴の異なる2つの検査があります。企業は2つの検査から、企業の色に合った人材を効率的に見つけようとしています。適性検査を受ける際は「企業はこの検査を重要視している」ということを頭に入れて挑むようにしましょう。

能力検査の問題内容

ここでは能力検査の問題内容について、詳しく解説します。

能力検査には複数の種類があり、各企業によって行われる検査の種類も異なります。

  • SPI
  • 玉手箱
  • CAB
  • GAB
  • SCOA
  • TAP

検査方法には上記のような種類があります。企業の能力検査に採用されることが多いのはSPIや玉手箱と呼ばれるものです。ここでは能力検査の代表格である「SPI」と「玉手箱」について紹介しておきます。

SPI

「SPI」とはSynthetic Personality Inventoryの略名です。適性検査の中でも最もスタンダードな検査になっており、Googleや日本航空などの大手企業でも採用されています。

SPIは段階を経てけんさ内容が更新されており、2018年現在はSPI3が主流になっています。

SPIには能力検査と性格検査の両方があります。能力検査はもちろんですが、試験対策として性格検査の対策も同時に行っておくことがポイントと言えるでしょう。

SPI3の能力検査には

  1. 非言語分野
  2. 言語分野

の2種類があります。

「非言語分野」では、データ処理能力、在庫管理など、実務的な処理能力を分析します。出題ないようとしては数学、理科などの分野から出題されます。計算問題や図表を読み取る力、論理的な思考などが問われています。

「言語分野」では、日常業務におけるコミュニケーション能力や、意思伝達、文章作成能力などを分析します。国語の分野から出題されるようになっています。長文の読解力や語句に関連する理解力が問われます。

玉手箱

「玉手箱」は、Web上でテストすることの多い検査です。PCを操作して受ける適性検査では一般的になっています。TBS、フジテレビなどのマスコミ系、三井住友銀行など、こちらも大手企業が採用している検査になります。

能力検査の科目の中に英語が含まれているのが特徴で、SPIと同様に能力検査と性格検の両方を扱っています。

玉手箱で出題される能力検査には

  1. 言語種目:GAB形式言語、IMAGES形式言語、趣旨把握
  2. 計数:四則計数、図表の読み取り、空欄補充
  3. 英語:GAB形式英語とIMAGES形式英語

の項目があります。

企業によって組み合わせる項目は異なるため、検査前に対策をしておくことが大切です。

このように能力検査では出題される検査の種類が異なります。企業によって扱う検査方法も違うため基礎的な学習をしておくことが大切です。どの能力検査でも求められているのは処理能力や論理的な思考能力になっています。本番は焦らずに挑むことがポイントです。

性格検査の問題内容

ここでは性格検査の問題内容について、詳しく紹介します。

性格検査にも能力検査と同様に複数の種類があります。基本的には問題に対して「はい」か「いいえ」で回答するようになっており、回答から応募者の性格を分析できるようになっています。

性格検査には

  1. クレペリン
  2. YG性格検査

の2つの種類がメジャーになっています。

ここでは性格検査で有名な2つの検査方法を詳しく見ていきましょう。

クレペリンテスト

「クレペリンテスト」は、用紙に並んだ一桁の数字を左から右へ順に移していくテスト方法です。1分間ごとに次の列に移るようになっています。テストは前半15分、休憩5分、後半15分の計35分で構成されています。

クレペリンテストからは処理能力の高さや精度、性格や行動面の特徴などを分析できるようになっています。ミスが多かったり、回答数が少ないなども分析対象になっています。

クレペリンテストは、事前対策として練習サイトを利用するのがおすすめです。事前にt=どんなテストなのか把握しておけば本番でも高得点を出すことができるでしょう。

YG性格検査

「YG性格検査」は、12項目ごとに各10問の問があり、合計120問の質問に対して「はい」か「いいえ」または「どちらでもない」の3択で回答するテストです。テスト結果は、最終的にグラフにして性格を分析するツールとして利用されます。

YG性格検査では、事前に対策をする必要はありません。問題に対して正直に回答することを心がけるようにしてください。ただし事前の企業研究によって、経営方針やビジョンが分かるのであれば、自分の意見に反しない範囲でポジティブに取られるような回答をすると良いでしょう。

性格検査で偽りのある回答をすると、検査後にバレてしまう可能性があります。適性検査のタイミングが面接前の場合、面接官からの質問に答えた結果「適性検査と違う発言になっている」と判断されてしまう可能性もあります。

検査はあくまで「正直」に回答しましょう。1人の社会人として一貫性のある人間であることが大切です。

適性検査の所要時間

適性検査の所要時間は能力検査、性格検査ともに30分程度が基本になっています。事前に適性検査の所要時間が知らされている場合、所要時間から検査内容を予想することができます。

例えば適性検査の所要時間が30分となっていた場合、能力検査と性格検査のいずれか1つが行われるでしょう。逆に所要時間が1時間だった場合、能力検査と性格検査の両方が行われることになります。

また企業によっては能力検査と性格検査以外に、自社で開発したオリジナルのテストを実施するところもあるようです。所要時間が1時間以上の場合、オリジナルテストを行うこともあるので、トータルで原点にならないよう、適性検査の予習復習を怠らないようにしましょう。

適性検査を受ける場所とタイミング

適性検査を受ける場所やタイミングは企業によって異なります。

応募者の性格や基礎スキルを分析することのできる適性検査は、企業の意図によって開催される場所やタイミングが違っています。

  • 適性検査の場所:試験会場、自宅、会議室
  • 適性検査のタイミング:書類審査後、面接後

このように適性検査の場所やタイミングは異なるため、どのような場面で検査を行われても良いように転職活動を開始した段階で、適性検査の対策をしておく必要があると言えます。

場所やタイミングについては企業から事前に連絡がある場合もあれば、面接の直前に「これから適性検査を受けていただきます。」と知らされるパターンもあります。いかなる場合でも焦らずに問題を回答するように心がけてください。

適性検査を突破するための事前対策

ここからは適性検査を突破して内定獲得に近づくための事前対策を紹介します。転職活動においては、履歴書の作成や面接と同様に重要な要素なので、本番でミスをしないように参考にしてください。

企業が採用していることの多い適性検査を事前に抑えておく

前述したように適性検査にはSPIや玉手箱のように企業が採用しやすいメジャーな検査が存在します。そのため事前に主要の検査方法を予習しておくことで、本番でもミスの少ない回答を行うことができるでしょう。

SPIや玉手箱には参考書や問題集があります。性格検査のクレペリンテストには練習サイトがあるので、こちらを活用して対策しておくことをおすすめします。

能力検査の学習方法は基本的に反復することで上達していきます。事前に問題を何度も解いておくようにすれば、本番躓くようなことはないでしょう。

性格検査では、ありのままの自分を大切にする

前述したように性格検査を行う際は、ありのままの自分で正直な回答をすることが重要です。取り繕った回答は採用担当に見透かされてしまう可能性があります。

問題の中には似たような問がある場合もあります。この際、各問題で「どうしたら気に入ってもらえるだろう」と考えすぎて回答をすると、矛盾が生じる可能性があります。矛盾のある回答は不採用の原因にも成りかねないので注意してください。

性格検査では企業と応募者の間に相違がないか、募集する職種に対して適した人間性を持っているかが重要になります。適性検査は「嘘をつく場」ではありません。企業に好かれるような回答をしても入社できたとしても、その後を考えるとミスマッチが生じて自分の首を締めることに繋がるでしょう。

性格検査を受ける際は、あくまでも素直で正直に回答するということを忘れないようにしましょう。

まとめ

今回は転職時に行う「適性検査」について紹介しました。

転職者に向けた適性検査では

  1. 募集職種に合っている人材か
  2. 企業が求める人物像か

という点を分析されています。

基本的な社会人マナーはもちろんですが、職種ごとに必要な能力も分析されている適性検査の重要度は高いと言えるでしょう。応募者のスペックをデータとして客観的に見ることができる適性検査は、企業にとって採用を判断する1つのツールになっています。

  1. 能力検査
  2. 性格検査

という2つの検査方法は各30分前後の時間でテストが行われます。

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どのタイミングでどんな問題が出題されるかは企業によっても異なります。「SPI」「玉手箱」「クレペリンテスト」「YG性格検査」など様々な方法で検査が行われます。企業によっては定期的に検査方法を変えているので「あの企業はSPIだよ」というような情報には注意してください。

適性検査は補足のような単純な意味合いで行われているものではありません。転職時の内定獲得率を高めるためにも、事前対策をしっかり行って悔いの残らない転職活動をしましょう。

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