転職活動では自分をよりよく見せたいもの。過去の実績やスキルから、転職活動の内定率や採用後の待遇も大きく変わってしまうこともあります。
そのため、現在の年収を水増しして答えてしまう方も多くいますが、、現年収で嘘をついてしまうことには思わぬ落とし穴もあります。
そこで今回は、転職活動で嘘の年収申告をしてしまうデメリットと、年収の答え方や年収アップ術をご紹介します。
転職活動で現年収に対する嘘をつくのはNG?
年収の水増しは結局バレてしまう
転職することで年収を上げたいと考える方も多いのではないでしょうか。
- 平均年収よりも高くしたい
- 仕事に見合った適正年収をもらいたい
など、現職の年収の不満から転職先では年収アップしたいと考える方も多くいます。
日経キャリアが2019年9月に行った会員アンケートでは、転職理由1位の「キャリア・能力をより生かせる環境を求めて」に次いで、「年収を上げたい」が2位にランクイン。特に20代の転職者が年収を上げるために転職をしたいと考えているということが分かります。
そのため、転職者の中には
「現年収を高く提示して年収交渉を行おう」
「現年収よりも高い年収を書いて、高年収専門の転職サイトや転職エージェントを利用しよう」
と、嘘の年収を伝えて、転職をしようと考える方もいます。
出来心で年収を水増しして申告することで、自分だけでなく、転職に関わった担当者や企業側に迷惑をかけることもあります。
嘘がばれる理由
それぞれ嘘がばれるタイミングが異なるため、「ばれてないから大丈夫!」と油断しないようにしましょう。
1.源泉徴収と合わない
新しい転職先に就職すると、企業側から年末調整のために源泉徴収票の提出を求められます。
年末調整とは、毎月の給与からは暫定的な源泉所得税が引かれており、年末に年間の所得税を確定し、その差額分を調整することを言います。
そのため、企業側は前職の給与と転あ職先の給与を合算した上で、所得税の計算を行い、所得税の払い過ぎ、または不足分がないかどうかをチェックするために、源泉徴収票の提出を求めるのです。
2.業界の年収相場とかけ離れている
特に同じ業界でキャリアップをはかる場合、企業の採用担当者が業界の年収相場を把握しています。
そのため、キャリアをそこまで積んでいない段階で、役員クラスの年収額を記載してしまうと、採用担当者から「嘘をついているのでは?」と疑われてしまうことも。
3.面接などの言動と合っていない
面接では、前職での実績や、業内容について詳しく問われることになります。
また、嘘をついているといううしろめたさから、発言はちぐはぐになってしまったり、目が泳いでしまったりと、表情や発言から嘘が見抜かれることもあります。
嘘をつくことでデメリットが生じることも
嘘がつくことで年収が上がったり内定率が上がると考える方も多いですが、逆に嘘をついてしまうことでデメリットも生じます。
嘘をつくことで考えられるデメリットを3つご紹介します。
1.信頼関係が傷つく結果に
平気で嘘をつく人と思われてしまうことで、
「業務上で行ったミスを隠蔽するのではないか?」
「売り上げを水増しして計上するのではないか?」
など思われてしまい、会社からの信頼を大きく失ってしまいます。
上司や同僚に嘘をつくような人には、安心して業務を任せることが難しくなります。
2.入社後の業務のハードルが上がってしまう可能性あり
嘘がばれなかった場合にもデメリットがあります。
前職の年収を偽り、実績をアピールすることで、企業側は「期待値」を持って、転職者の採用を行います。
給与額が高く、さまざまな業務を行ってきたという実績を伝えていれば、企業側が期待して責任のある業務や、多くの業務を振ってくるのは当然と言えます。
そこで、任された業務ができなかったり、ミスが多かったりしてしまうと、「期待外れ」だったと大きく評価を落としてしまうことにもつながります。
3.最悪の場合採用が取り消されることも
企業側は従業員1人を採用するために、それなりに費用や時間をかけています。転職サイトや転職エージェントの利用料も決してタダではなく、優秀な人材を獲得するためにはそれなりのリスクを負っているのです。
そのため、嘘の年収を言って入社してしまうことで、企業側が大きな不利益を被ることもあります。それが重要なポジションであればなおさらです。
「ばれなきゃ大丈夫」は要注意
嘘をついて入社することは印象も悪く、その後の信頼関係にも大きな影響を及ぼします。
と思ってしまいたくなりますが、年収で嘘をつくメリットよりもデメリットの方が多いのです。
正しい年収の答え方と年収アップのコツ
嘘をつかなくても年収アップははかれる
現在の年収が低いと不利になると思っている転職者が多くいます。
確かにビズリーチやCAREER CARVER(キャリアカーバー)などのハイクラス向け転職サイトでは、年収の基準があり、審査に通らなければ登録ができないなど、現在の年収が低いことで不利になるケースもあります。
- 現在の年収の答え方
- 年収交渉
の2つのポイントを軸に説明していきます。
年収の答え方のポイント
1.総支給額で答える
年収を答えるとき、手取り額で答えていませんか?
採用担当者が年収を質問する理由の1つとして、自社の給与規定に照らし合わせ、現在転職者がもらっている収入が転職によってどのくらい変動してしまうのかを確認するためという意図があります。
また、企業の求人の年収表記も基本的に総支給額となっているため、現在の年収と転職先の年収を比較することもできます。
2.各種手当は含めてOK
- 住宅手当
- 職務手当
- 地域手当
- 扶養手当
などの各種手当を含めて計算することが大切です。
3.年収はざっくり計算でも問題ない
大幅に50万円、100万円以上など年収が変わってしまうと、嘘の申告をしていたと問題になってしまうことはありますが、残業手当や賞与などは変動しやすく、その月、その年によって大きく異なるため、源泉徴収票で厳密にチェックしない限り、正確な年収額を知るのは難しくなります。
たとえば、年収が約335万円ほどなら、350万円と答えてもそれほど問題ではありません。
年収交渉を行う
ここでは、年収交渉のコツを2つご紹介します。
1.最低年収はきちんと伝える
現在の年収やスキルやキャリア、さらには業界の平均年収などを考慮に入れた上で、これから仕事をしていく上で最低限必要なベースラインを定めましょう。
企業側も優秀な人材には業務に見合った年収を上げたいと考えています。ですが、最初からあまりにも高い金額を提示してしまうと、企業側が考慮する余地がなくなってしまいます。
年収交渉は企業と転職者のメリットやリスクを踏まえた上で、妥当な額を定めます。
3.エージェントを利用する
転職エージェントでは、求人紹介や面接対策、面談日調整のほか、年収交渉を行ってもらうことができ、自分からは言いづらいお金の話もエージェントと企業側で話をまとめてくれるため、年収交渉の失敗が少ないというメリットがあります。
エージェントに伝えた情報がそのまま企業に伝わっている場合も多く、自分で直接企業側に現在の年収を言っていなくても、年収の嘘がばれてしまうケースもあります。
年収に関するQ&A
間違えてしまったからと言って、嘘をついていたとはならず、きちんと報告することで担当者からの印象も変わります。
求人の給与欄に「※前職の年収を考慮します」と書かれていることがあり、特に同じ業界間で転職を行う場合、評価が変わることもあります。
ですが、現在の年収はあくまで現在の企業での評価であり、現在の年収が高いからと言って、必ず高評価を得られるということではありません。
そのため、現在の年収がたとえ低くても、自分の市場価値が正しく理解されていなかっただけで、転職先では年収が上がったというケースもあります。
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まとめ
転職活動をしていく中で、現年収に嘘をついてしまう方も中にはいますが、最終的にはばれてしまう可能性が高く、最悪の場合解雇となることもあります。
まや、嘘の申告をしなくても、年収交渉や年収の答え方のポイントをおさえることで、年収アップにつなげることも可能です。
という方は、嘘の申告をしてしまう前に本記事で年収について学んでいきましょう。