そう決意して自分が選んだ企業に転職したにも関わらず、「思ってたのと違った」と転職したことに後悔している人は意外にも沢山います。
転職をしようと決めた人の中には、常に「成功した人」と「失敗した人」の2パターンがあります。
誰だって転職に後悔したくないはずです。ハードな転職活動をしたにも関わらず、報われないのは非常に辛い気持ちになるでしょう。
そこで今回は、
- 転職を後悔した人に共通する特徴
- 実際に転職に後悔した人の経験談
などを交えて、これから転職活動をしようと考えている人に向けて「転職前に後悔しないために必要なポイント」を紹介します。
転職に後悔している人の割合とよくある転職理由
ここでは「マクロミル株式会社」が、20代〜40代の転職者1034名にアンケートをとったデータを参考に転職後に後悔している人の割合と転職理由について解説します。
転職に後悔している人の割合
まずは転職に後悔しいている人の割合を見ていきましょう。転職先に勤務して2年以内の社会人に向けて行われたアンケート結果は以下のグラフになっています。
データを見てみると転職者全体の4人に1人が「転職に失敗した」と後悔をしていることが分かります。
アンケートに回答した人の26%が、転職をしていることから転職に後悔している人が意外にも多いことが分かるでしょう。
4人に1人が転職を後悔しているという現状は「自分は大丈夫」と思っている転職者であっても、注意が必要と言えます。
転職先の企業をしっかり見定めたと思っていても、入社後にギャップを感じてしまった人は少なくないようです。
転職には大きな労力がかかります。企業にとっても採用したにも関わらず、離職されてしまうのは負担になるでしょう。
企業と転職者の間にギャップが生まれてしまうのは、非常にもったいないことです。
よくある転職後悔の理由
意外にも多くの人が転職に後悔していることが分かりました。
ここでは、転職に後悔している人が感じている原因を紹介します。
仕事内容が違った
「募集内容と実際の仕事内容が違った」という理由から、転職に後悔している方は沢山います。
募集時は「残業なし」と書かれていたものの、いざ入社してみると終電で帰宅する日々が待っていたというのは、よくある話です。
激務が原因で前職を辞めたにも関わらず、転職先でも同じ状況になってしまったら後悔するのも無理はありません。
職場の雰囲気
転職に後悔する理由として「職場の雰囲気が合わなかった」という意見もよく聞きます。
インターネットで企業の情報を調べたりしても、職場の雰囲気は実際に働いてみないことには分かりません。
人によっては「前職を辞めたいと思ったキッカケも、職場の雰囲気だった」という悲しい結末になることもあるようです。
努力はしてみたものの、職場に馴染めずに再転職した人もいます。「給与面や待遇が良かったので、転職をしたが職場の環境が悪かった」という意見もありました。
となってしまう方も沢山いるのが現状です。
人間関係
人間関係が原因で転職した人も多いです。上司と反りが合わないという一般的な理由から、イジメに近い状況に陥ってしまった人もいます。
人生の3分の1を費やすと言われる仕事で、人間関係が悪ければ大きなストレスになるでしょう。
という人でも、転職後に同じような境遇に立たされてしまうこともあります。「初めは優しかった人が3ヶ月目から豹変した」ということもよくある話です。
特に企業と転職者の意識に相違がある場合、人間関係に問題が生じることが多くなっています。
スキルに期待して採用したにも関わらず、企業の売り上げに貢献しなければ、人間関係がこじれることもあるでしょう。
転職を後悔している人は意外にも多く、満足のいく結果が得られなかった人も少なくありません。前職の転職理由と転職後の不満が同じ人もいます。
時間をかけて転職活動をしたにも関わらず、結果として悔いが残ってしまうのは、とても残念なことです。
社会人としてだけでなく、1人の人間としても転職は「人生の転機」と言えるほど大事なイベントです。
いくら内定がもらえたとしても、転職者と企業にギャップがあれば本当の意味で「転職成功」とは言えないと言うことが分かるでしょう。
転職を後悔している人に共通する6つの特徴
転職に後悔している人がいる一方で、「自分は満足している」と感じている転職者もいます。
そもそも転職は「自分の理想の職場で働くため」に行う行動のはずです。
ここでは転職を後悔している人に多い6つの特徴を紹介します。
1.自己分析ができていなかった
満足のいく転職ができなかった人に多いのが「自己分析ができていない」ということです。
自己分析は、転職活動で欠かすことのできない作業と言えます。
- 何に不満を感じているのか
- どんな仕事に就きたいのか
- 自分の強みは何か
- 自分が得意としていることは何か
- 不得意なことは何か
など、転職を後悔しないためには転職活動を始める前に、自分と向き合う必要があります。
転職を後悔している人は、自己分析を中途半端に終わらせている人が実に多いです。
というような気持ちで自己分析を行っても、メリットはありません。
現職で激務が続いているため、自己分析に時間が割けない人も少なくないでしょう。しかし自己分析ができていなければ、転職後に後悔する確率は高くなってしまいます。
2.焦って転職してしまった
という焦りから、適当に企業を選んでしまう人も少なくありません。
例えば、前職が嫌で仕方なくて転職先を見つける前に退職してしまった場合、転職活動が長引くに連れて貯金も尽きてくるでしょう。
当然ながら自分の理想とは、かけ離れた企業へ転職しても良い結果を得ることはできないでしょう。
「40代だから内定がもらえるだけありがたい」と考えて、企業選びを吟味しない人もいます。
理想を叶えるために転職を決意したのに、
と焦って企業を選んでしまったら、後悔するのは目に見えています。これでは「前職の方が居心地が良かったな」と感じるのも当然と言えるでしょう。
3.問題を周りのせいにする
転職する理由を他人のせいにしたり、環境のせいにする人は転職先でも同じようなストレスを抱えます。
人間関係が上手くいかなかっったという転職理由は実に多いですが、これは個人の主観によって感じ方も異なります。
「上手くいかないのは、自分にも原因がある」と考える人もいれば「上司さえいなければ、問題は全て解決する」と思っている人もいます。
「職場の雰囲気に馴染めなかった」という転職理由も同様です。
- 「なぜそのようになったのか?」
- 「自分に改善点はないのか?」
を考えなければ、職場を変えても同じ問題が立ちはだかるでしょう。
「あの人さえいなければ・・・」という思いは、相手にも同じように思われている可能性もあります。相手が上司なら、パワーバランス的に勝ち目はないでしょう。
何度も転職を繰り返した結果「悪いのは自分だったんだ」と気付いても手遅れになってしまいます。
社会人として生きていくうえでは、自分よがりな考え方は不要と言えるでしょう。
4.労働条件の確認不足
「仕事内容が思っているのと違った」という人に多いのが、事前に労働条件を確認しなかったということです。
詳しい仕事内容を確認しなかったことが原因で、企業と転職者の間にギャップが生まれてしまうことは多いです。
自分の確認不足にも関わらず、労働条件が違うと感じている人は、再転職をしたとしても同じ状況になることが考えられます。
転職活動をする前に、自分がどのような条件で働きたいのかを、明確にしていない方もいます。条件が曖昧なまま転職したため、失敗するのです。
5.嫉妬心から転職してしまった
友人や知人の仕事が羨ましくて、転職する人は後悔する確率も高くなります。
例えば、仕事の愚痴を言わない人の話しを聞いていれば「楽しそうだな」という印象を受けるでしょう。しかし誰でも影に隠れて、苦労を体験しているものです。
嫉妬心から転職をしてしまう人は、人の話しに流されやすいです。
「〇〇職は楽な割に給料は良さげだよ」と友人から聞いただけで「〇〇に転職したい」と考えてしまうのは危険です。職種によって大まかな特徴はありますが、企業の色はそれぞれ異なります。
また「お前の仕事は辛そうだな」と言われただけで、転職を考える人もいるようです。
6.収入アップに執着していた
転職する動機が単純に「収入アップ」のみの場合、転職後に後悔してしまうでしょう。どんな条件よりも、給料を優先すれば、収入アップできる転職先を見つけるのは難しいことではありません。
しかし転職後に、
- 「考えていたよりもハードワークだった」
- 「自分のやりたい仕事と全く違う」
というネガティブな感情も湧きやすくなります。
同業種の同職種に転職したとしても、激務に追われて疲れ切ってしまう日々を送っていれば、新しい職場を探したくなるかもしれません。
「やりたい仕事」と「昇給してくれる会社」を選べば、長い目で見たときにより高い給料を得られるようになるでしょう。
転職を後悔してしまう人は、表面的な部分だけを切り取ることが多いです。自己分析ができていなかったり、労働条件が確認できていないなど、事前準備を怠っている人も少なくありません。
転職を後悔している人の経験談
転職は本来、非常にポジティブなもののはずです。
心機一転、転職を果たして新しいキャリアをスタートするということは、社会人としてフレッシュな気持ちになれる機会でもあります。
しかし転職者の中には、後悔している人も少なからずいます。
ここでは転職活動を果たしたものの、後悔したことのある社会人の実際の経験談を紹介します。転職後に後悔しないためにも、ぜひ参考にしてみてください。
募集内容と全く違う
- 事務職→事務職(27歳女性)
前職では中小企業で一般事務をしていました。事務職要員はたったの2名でした。そのため、どちらかが休みの日は仕事量も多く疲弊していました。
このままでは、プライベートがない人生になってしまうと感じたので、転職を決意しました。
求人サイトを検索したところ、
- 「ボーナスあり」
- 「募集人数5名」
の記載がある会社がありました。
と感じた私は迷うことなく応募しました。
しかし実際は、事務職要因は常に2名だったのです。ボーナスありとの記載も魅力に感じていましたが、会社自体が経営難になっていたので、給料の支払いすらままならない状況になることもありました。
と後悔しました。結局、転職後わずか半年で会社が倒産してしまい、新しい転職先を探すことになりました。企業を選ぶ際は、慎重にならなければいけないと実感しています。
収入アップにつられて大失敗
- 個人営業→法人営業(32歳男性)
今まで個人向けの営業職をしていました。仕事内容に特別不満を抱いたことはありませんが、営業職として考えると収入が少ないことが気になっていました。
と転職サイトを見ていると「歩合制」で「法人向けの営業」という稼げそうな会社を見つけることができました。
法人営業は、稼ぎやすいということは以前から聞いていたので、思い切って転職を決意し、第一志望の会社から内定をいただくことができました。
しかし待っていたのは、想像以上にハードな日々です。朝は8時までに出社して、帰るのは終電という毎日が続きます。月末になると、終電で帰れないこともありました。
と感じています。結局、激務についていくことができず、私と一緒に入社した同期も今では1人も残っていません。
「高収入」という文字につられてしまったことを深く反省しています。
1人になれる時間がない
- システム開発→工場勤務(41歳男性)
私はシステム開発の仕事を続けてきました。しかし人とコミュニケーションをとるのが苦手なため、常にチームで動く仕事に疲弊していました。
ある日、若手社員から「見た目も中身も暗い人ですね。」と冗談交じりの発言をされました。
今までの疲れが、どっ溢れてしまい、
と感じ転職を決意しました。ただ同じ職種には就きたくないということと、40代という年齢もあり転職先を見つけること自体が難航しまいした。
そんな中、見つけたのが工場でのライン作業です。収入は安定しており、
と思って、6箇所の工場に応募し2箇所から内定をいただくことができました。
しかし実際に働き出してみて分かったのは「1人になれる時間は意外に少ない」ということです。
私が働いている工場では朝のミーティングや、成果報告などをする必要がありました。割とシビアな会話をしなければならず、上司に気をつかう場面も多いです。
「人とコミュニケーションをとりたくない」という理由だけで、転職を判断したことを後悔しています。
ただ40代のため、次の転職先を探す気力はありません。今でも同じ工場で働いています。
焦りから適当な転職をしてしまった
- アパレル販売→飲食業(28歳女性)
私は、女性向けアパレルブランドの販売員として働いていました。好きなブランドのショップで働けるのは、ちょっとしたステータスにもなって、そこまで不満はありませんでした。
しかし、ある日突然上司に呼ばれ、「申し訳ないんだけど次のアテはあるかな?」と事実上の解雇宣告をされました。
具体的に解雇される期限は伝えられなかったものの、焦りを感じた私は、転職サイトを見て「未経験者歓迎」と書いてあった飲食店に転職することにしました。
しかし好きでもない飲食店の仕事は、想像以上に苦痛です。
と思っていましたが、実際はそんなこともありません。
会社のマニュアルに則った挨拶の仕方は、私にとって大きなストレスになりました。
仕事には慣れましたし、職場の方とは仲良く過ごせていますが、
という、漠然とした気持ちは今でも消えることはありません。
職場の環境が悪すぎた
- プログラマー→プログラマー(36歳男性)
これまでアプリ開発のプログラマーとして、2つの会社で働いてきました。
1つ目は、スキルを身につけるために中小企業で学習し、2つ目はスキルを最大限活かせるようにベンチャー企業でバリバリ働きました。
扱える言語も増え、
と感じた私は、大手IT企業で腕を試すことを決意しました。
大手企業は収入が安定し、ベンチャー企業とは異なり、1つの仕事により時間をかけることができるだろうと思っていました。
転職先は1つに絞っていました。「ここがダメなら今の会社を続けよう」と決めていたためです。
スキルの習得に取り組んできた私は、1発で内定がもらえるという嬉しい結果になりました。
しかし私の妄想は、勤務初日から打ちひしがれてしまいます。職場は揚げ足の取り合いです。
こんなに悪い職場環境は、見たことがありません。
大手らしく大量のプログラマーがいましたが、各プログラマーは交流をすることも、ほとんどありません。チームで作業するときの雰囲気も最悪でした。
転職を後悔する理由は実に様々です。人によっては転職せざるおえない状況から、次の企業を探すという苦い経験をしている人もいます。
経験談を聞かせてくれたみなさんは、転職した結果「転職前にやっておけば良かった」と感じていることがありました。
転職に後悔する前にするべきこと
転職を後悔している人の特徴や体験談を紹介してきました。
誰でも転職を成功させたいはずです。そこで、ここでは転職に後悔してしまう前にやるべきことを紹介します。
少しでも後悔するリスクを減らしたい方は、ここで説明していることを必ず実行してください。
徹底した自己分析
転職活動前に、最も大切な作業とも言えるのが「自己分析」です。
自己分析が徹底できていない人は、転職を後悔してしまう確率を自分で上げているようなものと言えます。事前に自己分析をしておけば、転職先の企業を選ぶ基準も自ずと明確になるでしょう。
転職者の中には「自分が何をしたいのか分からない」と感じている人も少なくありません。
- どんな仕事に就きたいのか
- どんな会社で働きたいのか
- 自分の強みは何か
このように自己分析をすることで、やりたい仕事や企業に貢献できるポイントなどを明確にすることができます。
自己分析をする際は、仕事だけでなくプライベートな部分にも目を向けることを覚えておいてください。
女性であれば「結婚」や「妊娠」などの、ライフイベントも考えなければ、転職後に後悔するリスクが高くなります。
本当の意味で「転職に成功した」と言えるようになるには、長期的な視点で企業選びをする必要があります。
転職活動をする前に自己分析を徹底することで、自分と企業の間に生まれるギャップを最小限にすることができます。
仕事に求める条件を決める
徹底した自己分析を終えたら、転職先を選びます。この際、自己分析から判明した「求めていること」を参考に、仕事に求める条件を絞っておくことが大切です。
転職活動は、新卒の就職活動とは違います。企業に求める条件を絞らずに、手当たり次第書類を送るのは効率的ではありません。
自分が「譲れない」と感じる部分を明らかにしておけば、転職面接の際も条件を提示しやすくなります。
- 給与の最低額
- 福利厚生
- 働き方
現職に就きながら転職活動を行う人は、忙しいスケジュールの中で行動しなければなりません。
例えば、
- 給与の最低条件は月収30万円
- ノルマなし
などの条件を決めておけば、自ずと応募するべき企業も決まってきます。
この際は「なぜ月収30万円欲しいのか」と自分へ何度も質問するようにしてください。適当に条件を決めてしまうとのちに後悔してしまう可能性があります。
転職したい理由を明確にする
転職で後悔している方の多くが「前の職場の方が良かった」と感じています。つまり「転職しなければ良かった」と感じているのです。
転職する理由が明確になっていなければ、転職後にちょっとした環境の変化があった場合、すぐに辞めたくなってしまうでしょう。
どんな仕事でもネガティブな側面があり、常に良いことばかりではありません。
また転職を何度も繰り返すことで、社会人としての信用力も下がるリスクがあります。意味のない転職を繰り返すと、身につくスキルも中途半端になって、1人の人材としての魅力も薄くなっていくでしょう。
- 本当に転職するべきなのか
- 現職でできる試行錯誤は全て試したのか
- 自分に改善点はないのか
- 転職をすることで被るリスクはないか
などは最低限考えておきたいところです。自分自身を俯瞰的な視点で観察した時に「ただただ辞めたいだけ」というふうに見えないでしょうか。
転職後に後悔したくないなら、自分と向き合ってみてください。
心の奥で「もっと改善できるところはある」「ただただ逃げたいだけ」という思いがあるなら、今の会社で問題解決に向けて行動することをおすすめします。
「今の現状に満足していないから転職をする」というのは、全ての転職者に共通することです。しかし自己分析ができているかや、仕事に求める条件が絞れているかなどは人によって異なります。
転職したことを後悔したくないなら、事前に自分と向き合ってみてください。人によっては「今の会社に残って問題解決に勤しむ」という結論に至るかもしれません。
不透明だった部分を明らかにする作業は、時に苦しい思いをすることもあるでしょう。
まとめ
今回は転職を後悔しないために、知っておくべき情報を徹底解説しました。
「転職しなければ良かった」と感じている人は少なくありません。前職と同じ理由で再転職をした人さえいます。転職を後悔する人には、共通するとくちょうがありました。
- 自己分析ができてない
- 労働条件を確認していない
- 焦って転職先を決めてしまう
などは、後悔のもとになるような行動と言えるでしょう。
転職活動は時間がかかるものです。現職を続けながら転職活動を行うのは、体力、気力ともに消耗するでしょう。しかし転職する意味をもう一度思い出してみてください。
誰でも、こんなふうに思っているのではないでしょうか?
社会人としてだけでなく、1人の人間として幸せな人生を送るためには仕事選びがとても重要になります。
転職は全て自己責任です。転職した後に「企業の方針が違った」と言ったところで助けてくれる人はいません。そのため、転職を後悔しないためにも、事前にやるべきこを徹底的にしておくことが大切です。
後悔のない転職を果たすためにも、今回紹介した情報を参考に1つ1つの行動を慎重に行ってみてください。