転職サイトや転職エージェントを利用して転職活動するのが主流となり、Web上の応募フォームで履歴書や職務経歴書などを送る機会も増えてきました。
そこで今回は、転職サイトの応募フォームでの書き方のコツを解説します。
転職サイトでの応募フォームと紙の履歴書の違い
転職サイトでは一般的に、応募フォームを利用して、興味のある求人に応募することができます。その際にプロフィールや職務経歴、志望動機などの項目の書き方に悩む方も多いのではないでしょうか。
ただ、項目ごとにページが分かれていたり、文字数制限があったりと、そのフォーマットが異なる可能性もあります。
- 紙の履歴書との違いを知る
- 転職サイトの応募フォームは各サイトによって異なることを理解する
- 登録時の情報に注意する
の3つのポイントを軸に、転職サイトからの基本的な応募フォームの違いを見ていきましょう。
紙の履歴書との違い
前述しましたが、Web履歴書も紙の履歴書も記入する内容自体にはほとんど変わりがありません。
一般的には、
- 名前や住所などの基本情報
- 学歴や職務経歴
- 免許や資格
- 志望動機
- 自己PR
- 本人希望欄(年収など)
などの項目を記入することがほとんどです。JIS規格(日本工業規格)の履歴書では、このように1つ1つの項目が分かれています。
紙の履歴書では応募企業に対して1枚1枚書かなくてはいけないのに対し、転職サイトの応募フォームでは基本情報や職務経歴などを登録時に記入していることがほとんどです。
そのため、一度登録してしまえば、あとは変更する手間がないため、Webの応募フォームの方が圧倒的に楽だというメリットがあります。
紙の履歴書では、強調したいところには太字や下線を引いたり、グラフや表を挿入したりと、見せ方を工夫することが可能です。
しかし、Webの応募フォームでは各サイトである程度フォーマットが定められているため、メリハリがつけにくいというデメリットがあります。
転職サイトの応募フォームは各サイトによって異なる
たとえば、マイナビ転職では「自己PR」と「志望動機」それぞれの項目が分けられています。
出典:マイナビ転職
一方、エン転職では「自己PR」と一括りになっており、志望動機については別途企業からの質問で聞かれる場合もあります。
出典:エン転職
この違いを、
と捉えるか、
と感じるかは、結局は自分次第と言えます。
登録時の情報には注意
求人を検索するためにはまず会員登録が必須のところもあるため、最初に基本情報を登録する方が多いのではないでしょうか。
早く求人を検索したいからと職務経歴の詳細や保持している資格を登録し忘れている可能性もあります。
応募時の書類選考をなるべく有利に進めるためにも、基本情報にまで目を配るようにしましょう。
時には、自分では関係ないと思っていた資格やスキルが、採用担当者の目に留まることもあります。
書類選考に通らない!ありがちな履歴書の書き方NG5パターン
書類選考に通過しないのには理由がある
転職では、スキルや経歴などこれまでの自分が評価される、と思ってしまいがちですが、スキルや経歴がどんなに素晴らしくても書類選考に落ちてしまうケースもあります。
履歴書の書き方NG例
希望する職種や業種、経験などによって志望動機や自己PR文の書き方はさまざまです。
ここではWeb応募フォームでありがちな履歴書の書き方NGパターンを5つご紹介します。
1.正式名称がきちんとかけていない
会社名1つをとっても、
- 〇〇株式会社
- 株式会社〇〇
- 有限会社〇〇
- NPO法人〇〇
など、会社の種類も多くあります。
会社によっては、似た名前の会社や同一の会社名を使っているところもあるため、勤め先の会社名は正式名称を表記するようにしましょう。
また、よくあるNG例としては、資格名を略してしまうことも挙げられます。略称で通ってしまっているものもありますが、「正式な表記ができない常識がない人」と採用担当者からレッテルを貼られてしまう可能性もあります。
NG 普通免許
OK 普通自動車第一種免許
2.志望動機や自己PR文を使い回し
転職サイトの応募フォームでやりがちなのが、志望動機や自己PR文の使い回しです。
簡単に一括応募ができるのが転職サイトの利点ではありますが、採用担当者から見ると、
- 企業分析がされていない
- 志望度が低い
とみなされてしまう可能性があります。
例えば、人事の求人募集で、
と書いてしまうと、具体性にかけ、その企業でなくてはならないという視点も欠けています。
志望動機の記入例については、8つのポイントとあわせて詳しく解説しますので、参考にしてみてください。
3.企業理解が足りていない志望動機
志望動機を書く際には、前もって企業の情報を調べておく必要があります。
たとえば、営業の求人募集で、将来性まで考えていることをアピールするために、
と書いてしまったとします。
4.表現が抽象的
よくある志望動機で、
- 社会貢献がしたいと考えたから
- よりよい食品作りをしたい
などを挙げる方もいます。
採用担当者は、
- なぜ自分の企業で働きたいのか
- 実際に入社した場合、どんな活躍をしてくれるのか
を知りたいと思っています。
そのため、
このように、具体的に
- どこに魅力を感じたのか
- 何が社会貢献になると考えているのか
を明確に書くようにしましょう。
5.志望動機や自己PRがほとんど空白になっている
志望動機や自己PRは面接などでも聞かれることも多く、つい応募の段階では軽く見てしまいがちです。
Web転職サイトでエントリーしてくださるのは本当に有難い。
有難いのだが、、、
履歴書も現職も書かずに名前と性別と年齢だけではその人を判断できない。
履歴書はいいからせめて志望動機くらいは欲しい、、、てか、なきゃ書類選考通過させられんorz
— ク口くま@コロナ許さん (@kurokuma_ws) March 12, 2020
転職サイトでは多くの方が利用している分、採用担当者は多くの応募者の情報を素早くさばいていく必要があります。
そのため、志望動機や自己PR文が書かれていないと、判断するポイントがなく、書類選考を通過させることが難しくなります。
志望動機・自己PR文の書き方のコツ8選
ここからは、具体例を挙げて、志望動機・自己PR文の書き方のポイントを8つご紹介します。
書き方のポイントをチェック!
1.見やすさを意識する
志望動機や自己PR文などが自由に記入できる場合には、長々と文章で繋げてしまうのではなく、ポイントを整理し、項目ごとに分けて書くようにしましょう。
2.結論は先に書き、読ませる文章を意識
志望動機は?と聞かれている場合には、その動機にいたったまでの経緯を先に書くのではなく、理由をずばり述べた後に経緯をあわせて伝えるよう心がけましょう。
3.企業分析は必須
企業ごとの特徴を捉え、志望動機に盛り込むことで、「他の企業ではなく、ここの企業に入社したい」という強い意志を伝えることができます。
4.前職での実績は数字を入れて説得力を持たせる
ただ、
- マネジメントをした
- 売り上げがトップだった
などと伝えても、
5.具体的な経験を盛り込む
自己PRはただ単に、
- コミュニケーション能力がある
- マネジメント経験がある
と伝えるのではなく、具体的なエピソードを盛り込み、どう工夫をして業務を進めてきたか、どんな風に能力を活かしてきたか、を伝えるようにしましょう。
6.文章量は長すぎず短すぎず8割を目安に
短すぎても「やる気がない」「志望度が低い」と思われてしまいますが、長すぎても「読み手への配慮が足らない」「要約ができない」という印象を与えてしまいます。
7.なるべく自分の言葉で書く
もちろん砕けた表現はNGですが、あまりにもかしこまりすぎてしまうと、かえって逆効果になることも。
多少言葉がつたなくても、なるべく自分の言葉で働きたいという意思を明確に伝えた方が採用担当者にも響きやすくなります。
8.主体性を意識する
志望動機で、企業の魅力ばかりを深堀しすぎてしまうと、企業への思いを伝えるだけになり、具体的に自分が企業に何を貢献できるのか、という視点が欠けてしまうこともあります。
書類選考では直接会って話すわけではなく、文面から応募者がどんな人物なのかを知ろうとします。
- 前職ではこんな成果をあげた→過去の経験
- 今後はこんなことを頑張りたい→将来性
失敗例を繰り返さないことが大切
書類選考で落ちてしまう方の多くは、志望動機や自己PR文の作成に苦手意識を持ってしまっている可能性があります。
書類選考で落ちてしまった場合には、
- 応募者が殺到した
- 採用がすでに決まってしまった
など企業側の理由もありますが、
- 書類上のミスが多かった
- 人物像が見えてこなかった
など、スキルや経歴とは異なるポイントで、落とされてしまっている可能性もあるのです。
そのため、書類選考で落ちてしまった場合には
- 書類に不備がなかったか?
- 企業分析が足りていたか?
などポイントを見直すようにしましょう。
転職ノウハウやツールを上手く活用することも大切
ここまで履歴書や職務経歴書の書き方のポイントをみてきましたが、転職サイトを使っているからには、各転職サイトにある機能を利用するのも良いでしょう。
転職サイトの便利なコンテンツとして、
- 履歴書作成ツール
- 転職ノウハウ集
などが挙げられます。
1.履歴書作成ツール
dodaにはレジュメビルダーという職務経歴書作成ツールがあります。これは、職務経歴、スキル、自己PRの3つの項目を埋めていくことで、簡単に職務経歴書を作成できるというツールです。
出典:doda
また、作成した職務経歴書をPDF形式でダウンロードもできるため、面接の際に履歴書や職務経歴書を持参する場合にも便利です。
2.転職ノウハウ
エン転職やマイナビ転職などでは、転職ノウハウとして、職種や業種ごとに履歴書作成のテンプレートやサンプル例などが多く載せられています。
特に転職サイトで自力で転職活動を行う場合、情報収集は必須となります。
各転職サイトの機能を上手く活用する
履歴書作成ツールや転職ノウハウをはじめ、適職診断や自己PR診断などの診断ツールが利用できたり、履歴書添削サポートを受けられたりと、できることがさまざまです。
転職サイトおすすめ⇒【2020年】おすすめ転職サイト!転職5回全て年収アップの転職のプロが「絶対」におすすめしたい転職サイト比較ランキング
まとめ
転職サイトの応募フォームは、簡単に入力ができ送信できるという反面、転職サイトごとにフォーマットが決められており、見直しがしづらいという欠点もあります。
- 見やすさを意識する
- 結論は先に書き、読ませる文章を意識
- 企業分析は必須
- 前職での実績は数字を入れて説得力を持たせる
- 具体的な経験を盛り込む
- 文章量は長すぎず短すぎず8割を目安に
- なるべく自分の言葉で書く
- 主体性を意識する