転職サイトを活用して、転職を成功させる、転職後に給料をアップするための裏技を筆者の体験談を交えて解説します。今回は「募集要項の後ろにある意図を読む」です。
企業が求めている人材であることを演出するのが最短距離
新卒の採用であれば「ポテンシャル」や「人柄」で採用されることもあります。変わった行動に上司が興味を持って、採用に至ることも少なくありません。
しかし、転職市場では「即戦力」であることが第一条件なのです。
転職を成功させるには
企業が求めている人材であること
を演出するべきなのです。
「ウソをつけ」とまでは言いませんが「演出なしで実力で選ばれるまで転職活動を続けること」よりも「その企業が求める人材であることを演出して採用してもらう」方が待遇が良いのは間違えありません。
- 演出なし → 今までの自分をPRして興味を持つ企業 → 求人難の中小零細企業の可能性が高い
- 演出あり → 企業が欲しい人材であると認識される → 大手企業、中堅企業にも採用される可能性が高い
「演出 = プロデュース」ですから、ビジネスでも重要なスキルであることは間違えありません。後ろめたさなど感じる必要は皆無ですので、「私は企業が求めている人材である」と演出しましょう。
では、どうやって演出すれば良いのでしょうか?
ヒントは募集要項にある!
募集要項(求人情報)は
「こんな方を求めてますよ。」というのが書いてあるのです。
シンプルですが、答えがここに書いてあります。
その通りに自分を演出すれば良いのです。
ケース1:インターネット広告代理店A社の求人情報
仕事の内容
SNS広告・検索広告等を使い、お客様の売上向上の為の広告戦略を提案し、広告を運用するお仕事です。
【具体的には】
~まずは広告の流れを学ぶ“運用研修”から~
入社後まずは運用チームに配属。
3~6ヶ月間、既存クライアントの広告運用を通じて、
インターネット広告の知識や流れを身につけます。
この間は新規開拓営業を一切行いません。
十二分に知識を習得し、自信をつけた後で、
新規開拓営業に挑戦していただきます。
~営業チーム配属後の仕事の流れ~
1.電話による新規開拓営業
2.広告の商談・契約
3.広告の作成・運用
4.効果の分析・改善
5.提案・運用改善・効果検証を続けていく
ここから何が読み取れるでしょうか?
>「この間は新規開拓営業を一切行いません。 」
「新規開拓営業をする人を募集している」ことを示しています。ただ、そう書いてしまうと敬遠する人が多いので「研修期間中は新規開拓はしないでいいよ。」と言っているのです。
>「電話による新規開拓営業 」「効果の分析・改善、提案・運用改善・効果検証を続けていく 」
ここから読み取れる欲しい人材というのは
- 新規開拓の電話営業の経験者
- 新規開拓営業に積極的に取り組める人
- ロジカルに数字で話ができる人
この会社に対して演出すべき自分の人物像は
- がんがん新規開拓をすることをいとわない人
- 過去の職務経歴を数字(実績)をベースにロジカルにプレゼンできる人
- 分析して提案して改善した経験談を数字ベースにプレゼンできる人
です。
- コミュニケーション力に強みがある
- スキルアップしたい
という人材は、一見広告代理店っぽい人物像なのですがこの企業の募集している人材にはふさわしくないのです。
ケース2:食品メーカー
仕事の内容
Webサイトをはじめとした、個人ユーザーに直接販売を行うための販売網の確立をお願いします。
【具体的には】
現在当社では、以下のような課題をかかえており、 これらの課題を解決すべく動いていただきます。
・自社Web販売サイトの強化
・直営店の立ち上げ
・○○の魅力を伝えるコンテンツの充実化
・○○の素晴らしさを知っていただくためのプレスリリース
・モノではなくコトを提案するような広告、宣伝
・海外へのアプローチ
・ブランド構築、ブランド展開
・観光客やインバウンド消費の取り込み
上記の課題はほんの一握り。
これまでは商社や企業への
BtoB取引が売り上げのほとんどを占めていましたが、
今後は個人ユーザーへのBtoCの割合を増やしていく計画です。
あなたが中心となってこの動きを盛り上げてください!
>以下のような課題をかかえており、 これらの課題を解決すべく動いていただきます。
採用企業側は「ノープランだ」ということを示しています。課題がクリアなのにもかかわらず、絞り込まずに「全部解決してくれる人募集」ですから、正直このメーカーは「何をどうする」という計画がほとんどない、わからない状態なのです。
また、色々書いてありますが、一番重要なのは一番上に書いてあるものです。つまり、「自社Web販売サイトの強化 」が差し迫った課題だと考えらえます。
この会社に対して演出すべき自分の人物像は
- 何も言われなくても自発的に企画をどんどん実現する実行力・行動力のある人
- 同様の業態(メーカー)などで「自社Web販売サイトの強化 」の経験とそれによる売上アップを実現したことのある人
です。
本当の即戦力を求めているが、採用する側に知見がないからこそ、箇条書きに色々書いてしまっている企業だということが読み取れるのです。
募集要項(求人情報)には「求めている人材」という欄がほとんどの転職サイトにはありますが、ここはあまりあてになりません。
「仕事の内容」「会社の説明」にこそ、「どんな人材が欲しいのか?」が見え隠れしているのです。
募集要項を見て
企業の思惑を予想して
予想を基に欲している人材の人物像になりきって
面接に行って
質問してみる
これを繰り返すだけで、すぐに企業の思惑を読み取るスキルが醸成されるはずです。
読み取った人物像を演出できない場合はどうすれば良いの?
上記の例の場合
- 何も言われなくても自発的に企画をどんどん実現する実行力・行動力のある人
- 同様の業態(メーカー)などで「自社Web販売サイトの強化 」の経験とそれによる売上アップを実現したことのある人
となっています。
何も言われなくても自発的に企画をどんどん実現する実行力・行動力のある人
であれば、職務経験の要素をピックアップすれば「上司の指示を待たずに行動して成功した経験」ぐらいはどんな人にもあると思います。これは簡単です。
同様の業態(メーカー)などで「自社Web販売サイトの強化 」の経験とそれによる売上アップを実現したことのある人
の場合は、実際にやったことがなければ演出のしようがありません。
選択肢としては
近い経験に置き換える
です。
同様の業態(メーカー)などで「自社Web販売サイトの強化 」の経験とそれによる売上アップを実現したことのある人
- メーカーではないけど「自社Web販売サイトの強化 」の経験がある
- 「自社Web販売サイトの強化」ではないけど、ECサイトの運営経験がある
- 「自社Web販売サイトの強化」の経験はないけど、クライアントのサイトの売上アップをコンサルティングした経験がある
・・・
などです。
近しい経験もなければ見送ることをおすすめします。
近しいものもない場合は「その求人自体がマッチしていない」と考えるべきです。
まとめ
- 転職成功のコツは、企業が求める人材の人物像になりきること
- 企業が求める人材は、募集要項の「仕事の内容」で推察できる
- 推理力を高めるためには、落ちてもいい企業で何度も練習する
- 演出できる経験がない場合は、近しい経験で置き換える
- 演出できる経験が全くない場合は、あきらめて他の企業に応募する
ということが転職サイト活用の裏技「募集要項の後ろにある意図を読む」のポイントです。
楽しんで推理を繰り返していけば転職成功の確率は高くなります。
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