転職をする際の不安として、面接に関するものは少なくありません。
特に「どのように自己紹介すれば良いのか分からない」、「良い印象を持ってもらうために具体的に何をすれば良いのか分からない」、という声は多いです。
ここでは、
- 自己紹介で踏まえておくべき4つのポイント
- 転職に成功した/失敗した人が行った自己紹介
- 面接官は、どんなところを見ているのか
- 印象が良くなるアピールの方法
- 面接で話すべき自己紹介の内容
以上5点について徹底解剖し、詳しくまとめています。
難しく考えがちな自己紹介ですが、要点をしっかり押さえておけば難しいものではありません。
採用率の上がる自己紹介をするためにはどのようなポイントを踏まえておくべきなのでしょうか。じっくり見ていきましょう。
面接における自己紹介とは
そもそも転職時の面接において、なぜ自己紹介を求める企業が多いのでしょうか。
それは自社と面接に来た転職希望者との相性を確かめるためです。
これまで何をしてきたか、どんなことが出来るのかなどは、履歴書やポートフォリオを見れば分かります。
しかし、人柄までは伝わってこないので、自己紹介を設けて人柄を見るのです。
つまり、自己紹介では自身の持つスキルや経歴だけでなく、自分はどのような人間なのか、面接官に伝えることが重要になります。
自己紹介で踏まえておくべき4つのポイント
その1 緊張し過ぎない
自己紹介は面接の冒頭で求められることが多いため緊張してしまいがちです。
しかし、ガチガチに緊張して自己紹介をしてしまっては自分の魅力を面接官に伝えきることが出来ません。
ましてや、新卒採用ではなく社会経験のある中途採用の面接を受けるのですから、場慣れしているところを見せておきたいです。
具体的には「表情と姿勢、話し方」に気をつけましょう。
その2 事前準備を行う
ぶっつけ本番で完璧な自己紹介を行える人はほとんどいません。
だからこそ、転職での自己紹介を失敗しないためには入念な事前準備が必要になります。
最低でも、「自己紹介文の作成」、「声に出して自己紹介文を読む」くらいはしておきたいです。
可能ならば友人や家族に頼んで自己紹介を聞いてもらうと良いでしょう。
その3 自己紹介はなるべく簡潔にまとめる
転職時の面接でありがちなミスとして「自分のことを知ってもらおうとした結果、自己紹介が長くなってしまう」というものがあります。
熱意をアピールしたい!と考えるのは良いことですが、あまりに冗長になってしまっては面接官が飽きてしまい、良い印象を持たれません。
自己紹介は面接の中で唯一、「自分主導で話すことのできる時間」です。
- 長くなれば面接官の聞きたいことを聞く時間が無くなる
- スマートに話をまとめられない人と認識される
などのデメリットがあることを覚えておきましょう。
その4 どんな業界・職種でも話すべき内容は同じ
転職先が同業種、異業種のどちらでも話すべき内容は変わりません。
知識があることをアピールしようと専門用語を自己紹介に散りばめたり、専門的で分かりにくいエピソードを話したりする必要は無いのです。
業界・職種に関する専門知識を披露するのは聞かれた時のみにして、自己紹介は「誰が聞いてもわかりやすい内容」となるよう心掛けましょう。
自己紹介で話すべき内容
これまでどんなことをやってきたのか
面接官は転職希望者がどんなことをやってきた人なのか知りたがっています。
経歴やスキルは履歴書を見ればある程度わかるものの、詳しい内容までは分かりません。
だからこそ、自己紹介で自身のやってきたことを詳細に伝えるべきなのです。
例えば、営業をしていた人が同じく営業職として転職を望む場合はどうでしょうか。
面接官は履歴書を見て、営業経験がある人だ、という情報を知ってはいますが、実際にどのような営業をしていたのかまでは分かりません。
そこで、自己紹介の中に電話営業をしていた、法人営業を担当していたなどの情報をちりばめておくと、後の面接がスムーズに運びます。
前述の通り、長い時間自分について語る必要はありません。
自分の経歴やスキルの中で「履歴書を見るだけでは分からない部分」を補完するように心掛けましょう。
自分の持つ強み
企業にとって中途採用を行う最大のメリットは、教育コストを掛けずに即戦力の人材を手に入れられることです。
裏を返せば「強みを持たない人材は必要ない」ということでもあります。
自己紹介ではいくつか自分の強みをアピールし、なぜ強みだと言えるのか明確に話せるよう準備しておきましょう。
インパクトのある強みであればあるほど、面接官の興味を引くことが出来ます。
何を目指して応募してきたのか
ただ、志望動機は自己紹介とは別に聞かれることも多く、自己紹介に盛り込むと長くなりすぎる場合があります。
強みのアピールや実績の紹介に時間を使いたいのなら、あえて自己紹介に含めなくとも良いでしょう。
印象が良くなるアピールの仕方
アピールポイントを絞る
アピールポイントは複数になると、ひとつひとつの印象が薄れてしまいます。
そのため、強みをアピールする際はひとつかふたつに絞って、面接官の印象に残るよう工夫してアピールしましょう。
具体的には、「明確な数字、客観的な評価」を交えてアピールをすると良いです。
どんな人材を必要としているのか理解する
企業によって採用の条件が異なるように、必要としている人材もまた様々です。
面接官の印象を良くしたいのなら、転職を希望する企業がどんな人材を求めているのか理解した上で、自分こそが適材だとアピールしましょう。
- 効果的なのは企業の理念や実際の業務内容を調べる
- 間接的に自分との繋がりをアピールする
- 保有する資格が転職先の企業にもたらすメリットをアピールする
などです。おすすめなのは気になっている企業の募集要項を参考にすることです。
募集要項を見れば、その企業が欲しがっている人材のキャラクター、働き方などの情報が見えてきます。
そうすると、企業の必要としている人材像が透けて見え、アピールしたり自分との繋がりを強調したりすべきポイントが見つかるでしょう。
事実に基づいたエピソードを披露する
とはいえ、嘘のエピソードをでっちあげてしまうと、突っ込んだ質問に答えられない、具体的な数字を出せないなどのぼろが出てしまうため要注意。
面接官の印象が良くなるどころか、失望させてしまう結果に繋がりかねないため、エピソードを話す際は必ず「事実に基づいた内容」を話すようにしましょう。
転職に成功した人が行った自己紹介のポイント
成功例1
〇〇と申します。
本日はお忙しい中お時間をいただき誠にありがとうございます。
私は○○大学を卒業して以降、○○株式会社に新卒で入社し、〇年間法人営業を行ってきました。
得意としているのは新規開拓営業で、入社以降○○社以上の企業を開拓、前年比○○%の売り上げ増を達成したこともあります。
現在は営業チームをまとめ上げるリーダーとして、部下の育成も行っています。
営業で大切なのは一方的な売り込みではなく、顧客との対話だという信念の元、後進の指導に当たった結果、昨年はチーム全体の売り上げが社内でナンバーワンとなりました。
新規開拓営業や営業チームのまとめ役なら私にお任せください。
本日はどうぞよろしくお願い致します。
学歴・職歴が簡潔になっている
出身大学や在職中の企業に関する情報を極力簡潔にし、余計な情報を含めないよう配慮しています。
一方で強みのアピールや、実績に関するエピソードは必要最低限ながらも詳細な説明がなされています。
面接官が欲しい内容を先回りして紹介した模範的な自己紹介と言えるでしょう。
強みと強みを裏付ける分かりやすいエピソードがある
この自己紹介では自身の持つ強みを「営業能力の高さ」、「統率力の高さ」の2点に絞って紹介しています。
最もアピールしたい強みだけを簡潔にまとめているので、非常に分かりやすいです。
それに加えて、強みを裏付けるエピソードが盛り込まれているので、説得力のある内容となっています。
成功例2
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。
私は○○と言います。
○○大学で○○について学んだ後、その知識を活かし、株式会社○○に施工管理技士として入社しました。
入社以降は円滑な業務の遂行を心掛け、○○件の施工に関わりました。
最も得意なのは小規模マンション、アパートなどの施工管理で、現職では施工管理部門の最優秀賞を獲得したこともあります。
貴社の施工事例を拝見しまして、このような後世に残る素晴らしい建築物の施工に関わりたいと思い志望をさせて頂きました。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
具体的な数字を明示して経験をアピールしている
これまで担当した施工件数を明示するなど、具体的な数字を表して経験をアピールしています。
ここで「たくさんの」、「多くの」といった表現を使ってしまうとインパクトが薄れてしまいますが、「明確な数字」を出すようにすると説得力が高まります。
また、在籍中の会社でどのような評価を受けていたのかアピールするのも重要です。
入社後の展望が明確
入社後の展望が明確であるため、熱意が伝わってきます。
また、あえて詳しく語り過ぎないことで面接官の質問を誘うように自己紹介を締めているのも高評価です。
いくらアピールポイントを用意しても、面接官に質問をしてもらえなければ自分の有用性をアピールすることは出来ません。
転職の際の自己紹介では、面接官が突っ込んで聞きたくなるような要素を散りばめておきましょう。
転職に失敗した人が行った自己紹介のポイント
失敗例
今日は貴重なお時間を私のために割いていただきありがとうございます。
頂いたお時間を無駄にしないよう有意義な面接となるよう努力する所存です。
早速自己紹介に入らせていただきたいと思います。
私は○○と申します。
前職は営業職をしていました。営業で最も大事なのは努力と根性、顧客に伝わる熱意だと考えております。
そう考える所以は私が以前野球をしていたからで、野球からはたくさんのことを学びました。
現在も趣味として野球をしており、草野球ではありますが現在はチームを率いる存在として活躍しています。
チームで培った統率力は御社でも役に立つと考えております。
あらゆる営業手法に通じており、個人・法人向け問わずどんな相手にも営業を行える自身があります。
これで自己紹介を終わります。
無駄な話が多すぎる
面接の場を設けてもらったことに関してお礼を言うのは間違っていませんが、この自己紹介のように長々とお礼を言うのは面接官の心証が良くありません。
余計な話は極力入れないようにして、「自分の強みや実績」などに関することを詳しく話すようにしましょう。
仕事に対する考え方が漠然とし過ぎている
努力や根性といった言葉では、これまでどのような考えで仕事を行ってきたのか分かりません。
熱意を伝えたいのは分かりますが、これでは面接官に中身のない人物だと思われてしまいます。
自分の強みを上手くアピールできていない
「強みはひとつ、もしくはふたつ」程度に留めるべきで、「あらゆる営業手法に通じて~」のように有用性をアピールしようと幅広い範囲をカバーしようとすると、かえって現実味が無くなります。
この場合、野球の話を絡めるのならば実際に根拠を明示している統率力を強みとしてアピールするべきです。
まとめ
転職面接の際の自己紹介では、
- 緊張し過ぎない
- 事前準備を行う
- 自己紹介はなるべく簡潔にまとめる
- どんな業種・職種でも話すべき内容は同じ
以上4点を踏まえておきましょう。
また、面接官は自己紹介の中で、
- 自分のやりたいこと
- 自身の持つ強み
- 志望動機
この3点について聞きたがっています。すべてを絶対に盛り込まなければいけないわけではありませんが、面接官が重視するポイントとしてこれらは筆頭となるため、なるべく自己紹介の中に含めておきましょう。
「転職に成功した人は面接の際にどのような自己紹介を行ったのだろう?」