転職で年収が下がるのは良い・悪い?転職で年収が下がる理由と後悔しないための転職成功術

転職理由の1つとして、年収は大きな問題の1つ。今よりも高待遇で高年収の企業へ転職したいものですが、転職した人の中には逆に年収が下がってしまった方もいます。

そこで今回は転職で年収が下がる理由と後悔しないための転職成功術について解説します。

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  • 転職で年収を上げたい
  • 転職して年収が下がってしまった

という方は今回の記事で、気になる年収問題をチェックしましょう。

転職で年収で下がる理由

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転職したら年収は上がるものじゃないの?
teacher
転職したからと言って年収は必ず上がるものではありません。年収が下がるのには理由があるのです。

転職すると、年収が上がると期待する方も多いですが、転職しても年収が上がるとは限りません。

それどころか、逆に下がってしまうこともあります。

まずは転職で年収が下がる理由について、知っておくことが大切です。

転職で年収が下がるケースは意外に多い

実は、転職で年収が下がる人は意外にも多いのです。

リクルートワークス研究所が2019年に全国15歳以上の男女6万人を対象に行った就業調査の年収の増減状況の結果を見てみても、前職よりも年収が10%ダウンする人の割合は、転職1年目で40%、転職2年目でも38.2%という結果になっています。

10%以上アップ 10%以上ダウン
転職1年目 31.00% 40.00%
転職2年目 40.70% 38.20%

出典:リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査 2019データ集」より抜粋

転職で年収が下がる理由はさまざまですが、実は、転職で年収が下がってしまうことを予測できていなかったケースと、年収が下がってしまうことを覚悟の上で転職したケースと分かれています。

どちらのケースかによって、転職で年収が下がったという事実は同じでも、その後の年収変化に大きな影響が出ることもあります。

そのため、転職することによって年収が下がる可能性もあると理解した上で、転職先や転職理由について考える必要が出てくるのです。

転職で年収が下がる理由

転職で年収が下がる理由は大きく分けて5つあります。

  1. 未経験の職種・業種にキャリアチェンジ
  2. 焦って転職してしまう
  3. 転職の軸が定まっていない
  4. 企業の良い情報だけを鵜呑みしてしまう
  5. 自分の市場価値を正しく知れていない
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この5つの理由に当てはまっている場合には、転職について見直す必要があると言えるため、転職を考える前におさえておきましょう。

1.未経験の職種・業種にキャリアチェンジ

未経験から違う職種・業種にキャリアチェンジする場合、年収が下がってしまうことがほとんどです。

新卒や第二新卒、アルバイトからの転職であれば、未経験からでも年収が上がる見込みがありますが、経験者に比べてスキルや能力が大きく異なり、企業が一から教育を行う必要があり、企業としてはコストをおさえたいという本音があります。

また、年齢によっても転職が難しくなるケースもあります。

多くの企業では、なるべく若い人材を育て、長く勤めることで成果を上げてほしいと考えています。若年キャリア育成のため、企業によっては未経験からの転職に年齢制限を設けているところもあります。

30代・40代になると未経験からの転職が難しく、また少しでもコストをおさえようと年収が下がる可能性もあるため、注意が必要です。

2.焦って転職してしまう

内定をもらったからと言って焦って転職をしてしまい、年収が下がってしまうというケースです。

転職活動が長期化すればするほど、

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早く転職先を決めたい
と焦ってしまい、年収や福利厚生などをしっかりと確認しないまま飛びついてしまう転職者も増えてしまいます。

特に、

  • 現職の退職日が迫っている
  • 早く転職先を決めて今の職場を辞めたい

という方は要注意です。

今の職場を早く辞めたいあまりに転職を決めてしまうと、前職よりもかえって条件が悪い企業に就職してしまうこともあります。

年収交渉などをしっかりと行うためにも、焦って転職先を決めてしまうのは避けましょう。

3.転職の軸が定まっていない

高年収を目指して転職を考えたのにも関わらず、転職活動を進めていくうちに転職軸がぶれてしまうこともあります。

年収600万円が目標だったにも関わらず、

  • 職場の雰囲気が良さそうだった
  • 採用担当者との相性が良かった

などの理由で転職軸を変えてしまうと、転職後に後悔してしまうことも少なくありません。

企業側はできる限り低いコストで採用ができるなら、それに越したことはありません。それは、企業側も、本当に会社に貢献してくれる人材であるかどうかが分からない状態で採用するというリスクを負っているからです。

企業側の言葉だけに惑わされてしまうと、結果的に前職よりも年収が下がってしまったということにもなりかねません。

4.企業の良い情報だけを鵜呑みしてしまう

求人情報には年収例や年齢ごとの月給例などが提示されていることがありますが、年収例はあくまでも例にすぎません

転職サイトの年収例には特別な定めがなく、平均年収や最低年収ではなく、過去にあった年収の実績に基づいて年収例を記載している企業も多いのです。

年収例や「年収〇〇万円の実績あり!」などの謳い文句につられてしまうと、年収を大きく下げてしまう場合もあるため、要注意です。

5.自分の市場価値を正しく知れていない

年収交渉に失敗して、前職よりも年収が下がってしまった場合には、自分の市場価値や業界の年収事情を正しく知れていない可能性があります。

企業が転職者の希望する額を出したくても、年収を上げるまでのメリットを感じなかったり、社内の給与システム上難しかったりすると、年収交渉に応じることができません

間違った認識で年収交渉をしてもらう前に、自分の市場価値や業界の平均年収を知り、適正年収を把握しておくことも大切です。

パソナキャリアでは、年収診断・年収査定シミュレーションというツールを使うことで、適正年収について知ることができます。

出典:パソナキャリア「年収査定シミュレーション」

他の転職サイトでも年収診断や適職診断などさまざまなツールを使って、自己分析を行うことができるため、転職サイトを利用している場合には有効活用しましょう。

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キャリアプランと転職理由を明確に持つことが大切

年収が下がってしまう理由の多くは、なんとなく転職で年収が上がるだろうと思って転職活動を進めてしまうことにあります。

しかし、実際には転職によって年収が下がってしまうケースもあります。

入社してから

man

「思っていたのと違った」

「前職の方が良かった」

と思っても、待遇面や給与面をすぐに変えることはできません。

そうならないために、

  • 転職するにあたって譲れないポイントはどこか
  • 転職したいと思った決め手はなんだったのか

など転職理由や転職軸を決めることが大切です。

また、すぐに年収を上げたいと思っているかどうかというのも重要なポイントです。自分なりのキャリアプランを考え、転職先をよく検討するようにしましょう。

転職で年収が下がっても良いケース

年収が下がる=転職失敗ではない

年収が上がる=転職成功

であり、

年収が下がる=転職失敗

と捉えてしまう方も多いですが、転職の成功を左右するポイントは実は年収ではありません

自分の転職軸によっては、年収が下がる場合でも転職成功と捉えていいこともあります。
現時点で年収が下がったり、待遇面が悪かったりとデメリットが多くても、長期的に見れば、転職成功と言えることもあるのです。

転職で年収が下がっても良いケース

teacher
ここからは、転職で年収が下がっても良いケースをご紹介します。自分がどの転職ケースに当てはまるのかをチェックしておきましょう。

1.成長が見込める企業への転職

年収などの給与面での待遇は、自分の努力だけでなく、企業の成長率や業績によっても変化します。

たとえば、生活や健康に欠かせない医薬品メーカーの企業の業績はよくても、自動車の部品メーカーは需要が落ち込み、業績が悪いという場合、同じメーカーでも何を扱っているかによっても売り上げの差が生じます。

この場合、転職後は自動車メーカーの年収の方が高かったとしても、何年か努めていくうちに医薬品メーカーの方が年収が高くなる可能性もあります。

そのため、現在提示されている年収が低かったとしても、過去の実績などから、年収が右肩上がりしている、という場合には、転職を検討しても良いと言えるでしょう。目先の利益だけにとらわれすぎないことも重要なポイントだと言えます。

2.ボーナス制度や退職金などの福利厚生が充実している

月収などから算出した年収ももちろん大切ではありますが、ボーナスや退職金などの福利厚生にも着目しましょう。

最近では、退職金を設けていないベンチャー企業や中小企業も増えてきていますが、退職金がない分、年収が高くなっているというところも少なくありません。

退職金がない分、毎年の年収は多いように見えても、ボーナスや各種手当、退職金などトータルで考えると、実は損をしてしまっていたということも考えられます。
  • 各種手当(住宅手当、役職手当)
  • 退職金
  • 賞与制度

などの項目をきちんと確認し、直近の年収だけでなく、トータルの金額を考えることも大切です。

3.スキルアップが期待できる

キャリアプランを考えた上で、

  • 教育制度が充実しているところに行きたい
  • 資格をとりながら仕事を進めたい
  • 未経験からスキルを学びたい

など、転職でスキルアップを目指す場合には、年収が下がっても、その分スキルや経験を吸収できると捉えることができます。

今は年収よりもスキルアップを優先すると割り切って仕事を行うことで、今後高い役職に就けたり、独立したりと、結果的には利益につなげることも夢ではありません。

ただ、なんとなくでキャリアプランを考えて転職するのはもちろんNGです。
ノープランで動いてしまうと、自分の仕事の軸がぶれてしまい、モチベーションが上がらなかったり、上手く結果を残せないこともあるので、慎重に検討するようにしましょう。

4.転職で悩みが解消する場合

  • 残業が多く体を壊してしまっている
  • 人間関係が上手くいっていない
このような理由で、前職で仕事を続けることで自分の精神や健康に害がある場合には、年収が下がってでも転職するべきだと言えます。

よく、新卒で

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3年間は頑張るとき

と無理をしすぎてしまう方もいますが、体を壊してしまっては元も子もありません。

  • 今は自分にとって最善の状態か?
  • 今後のキャリアのために必要か?

メリットやデメリットを挙げた上で、転職することでメリットが得られる場合には思い切って転職を検討することも大切です。

5.ライフワークバランスを変えたい場合

  • プライベートを充実させたい
  • 副業をしたい
  • 子育てと仕事の両立をはかりたい

このように仕事と家庭や趣味を両立させたいと考える方も多いと思います。

一番考えるべきことは、自分が何を優先すべきかということです。
年収を上げることが幸せに直結するわけではありません。

たとえ年収が低くても、趣味を楽しんだり、家庭を大切にしたりなどをすることによって、充実した生活を送る方もいます。役職が上がることで逆に自分の時間を持てなくなることもあります。

自分にとっての優先順位を決め、仕事と家庭のバランスを変更するために転職することも1つの考え方です。

6.やりがいのある仕事に就きたい場合

現職での業務内容や年収よりも、自分のやりたいことに挑戦したいという場合には思いきって転職を検討するのも良いでしょう。

やりがいのある仕事の方が続けやすく、結果的に良い功績をおさめることもあります。

転職における考え方はさまざまあるので、高年収をおさめることよりもやりがいを重視する場合には、自分の好きなことを極めることも正解だと言えます。

長期的な目で見て判断を

転職活動の成功・失敗は一瞬で決まるものではありません。

一時的に年収が下がってしまったとしても、将来的に年収を上げられる可能性もあるのです。

長期的に見て、年収を上げられる見込みがあれば、挑戦してみることも大切です。自分の軸をしっかりと明確にした上で、どこに転職するのが最善かを考えてみるようにしましょう。

後悔しないための転職成功のコツ

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「年収が下がる=転職失敗」ではないとわかっても、やっぱり年収が下がってしまうのは不安・・・
teacher
年収が下がるリスクを回避することもできます。ただ年収を下げてしまうのではなく、できることからやっていきましょう。

転職におけるリスクは最小限におさえる

年収が下がってもいい場合もありますが、現在の収入から大きく下げてしまうと、今の生活を持続させられるかどうかという不安も残ります。

後悔しないためにも、リスク回避のために行動することが大切です。

転職成功の4つのコツから、リスクを最小限におさえれるようにしましょう。

1.年収交渉を行う

ただ提示された年収を受け入れるのではなく、内定が決まった後に年収交渉を行うことも可能です。
企業にとっても対応は違いますが、希望年収を聞いてくれることもあるため、企業との交渉をしっかりと行っておきましょう。

自分で希望を伝えるのが難しい場合には、エージェントを利用することもおすすめです。

エージェントを通すことで、企業側とのトラブルが起きにくく、希望年収に近づけることができます。

2.業界や企業の分析はしっかりと行う

業界や企業によっては、これ以上年収をあげることが難しい場合もあります。

口コミ情報サイトやエージェントの業界レポートなどを利用して、転職する業界や企業の情報を知っておくことも大切です。
年収が上がる見込みがあまりにもない場合には、別の業界を目指す方が将来的に年収があげられる可能性もあるので、業界ごとの平均年収を把握しておくこともポイントです。

3.許容範囲を決める

転職する前に、年収が下がった場合の許容範囲を決めておくことが重要です。
  • 最低400万円は確実にもらいたい
  • 残業が多くても確実に年収500万円貰えるところにいきたい
このように、最低年収のラインや、譲歩できる条件などを決めておくことで、迷いがなくなり、転職成功へと導くことができます。
teacher
すべて条件どおりにいく企業はなかなかないものです。取捨選択した上で、譲れない点や妥協点を見つけることも時には必要と言えます。

4.時には辞退する勇気を

内定をもらい、年収交渉をした上でそれでも納得がいかない場合には、内定を辞退することも大切です。

担当者に悪いと思い、納得できないまま就職を決めてしまうと、後から

  • もっと良い企業に入れたはずなのに
  • もうちょっと年収が高い方が良かった

など、不満が出てきてしまい、結果早期退職につながるケースも少なくありません。

辞退することで企業に迷惑をかけると思ってしまいがちですが、そのまま就職をしてしても、双方の利益になるとは限りません。
企業側も採用する予定で進めていることは確かですが、内定を辞退する勇気を持つことも時には必要です。

後悔することが転職失敗につながる

年収が下がることよりも、後悔してしまうことで転職失敗につながるケースも少なくありません。

たとえ年収が上がっても、自分が納得できる条件でない限り、転職による後悔はつきまとうものです。

  1. 面接交渉を行う
  2. 業界や企業の分析はしっかりと行う
  3. 許容範囲を決める
  4. 時には辞退する勇気を

4つのポイントをおさえ、後悔のない転職を目指しましょう。

まとめ

転職で年収は上がると思ってしまいがちですが、実際には転職によって年収が下がることもあります。

年収が下がってしまう理由を正しく知り、転職軸やキャリアプランを明確にして、転職によって何を叶えたいかを定めることが大切です。

場合によっては、転職で年収が下がっても良いケースもあります。たとえ、一時的に年収を下げてしまっても、結果的に年収が上がる可能性もあります。

もっとも大切なことは、年収が下がることよりも、後悔しない転職をすることです。
teacher
年収以外にも目を向けた上で、自分が最終的に納得できる転職を叶えましょう。

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