転職活動で書類審査で、採用担当者がはじめて目にするものは履歴書です。
なかでも履歴書の写真は、文章よりも直感的にあなたを印象づける要素になります。暗い表情や人相が悪く映っている写真は、採用担当に大きな悪影響を与えてしまうのです。
そんな風に思っている転職希望者もなかにはいるでしょう。しかし、写真の見た目で採用を見送られることがあるのも事実です。
履歴書の中身がどんなに良くても、写真1つで書類審査の突破率が大きく変わってしまいます。
確かに、転職の書類審査で好印象になる「良い写真」と言われても、具体的にイメージできないでしょう。履歴書の写真は、一般的なスナップ写真とは全く異なります。
そこで今回は、転職の書類審査で「受かる」確率を上げるコツを紹介します。
- 写真を撮る際の最低限のルール
- 写真は何で撮るべきか
- 髪型
- 服装
- メイク
- 表情
好印象を与える履歴書写真の撮り方には、様々なポイントがあります。
社会人として最低限踏まえておくべきマナーから、硬い表情を自然な笑顔に変えるプロのマル秘テクニックまで解説しています。
書類審査の成功率をアップさせる写真を撮るためにも、ぜひ参考にしてみてください。
履歴書の写真でおさえておくべきルール
まずは履歴書の写真を撮る上で最低限守るべきルールは以下の4点です。
- 写真のサイズ
- 3ヶ月以内に撮影したもの
- 背景は白・ブルー・グレー
- 写真の裏には名前を書く
写真のサイズ
履歴書の写真サイズは「タテ4cm × ヨコ3cm」です。
ほとんどの履歴書が同じサイズを採用しています。稀に写真のサイズが異なる場合もあるので、一度履歴書を確認してみてください。
3ヶ月以内に撮影したもの
履歴書の写真は、原則3ヶ月以内に撮影したものを使用します。
しかし、3ヶ月以内であっても体重の増減や髪型が明らかに違うこともあるでしょう。
背景は白・ブルー・グレー
写真の背景には、白・ブルー・グレーのいずれかを選択するようにしてください。色味の強い背景は、履歴書の写真にふさわしくないので選ばないようにしましょう。
各色には以下のような特徴があります。
- 白:シンプルで清潔な印象
- ブルー:顔色が良く見える
- グレー:白シャツとのコントラストがつけやすい
あなたのスーツや顔色から、どのような印象を強く打ち出したいか考えてみてください。
写真の裏には名前を書く
転職の履歴書に写真を貼る際は、必ず写真の裏に名前を書いてください。
名前を書いておくことにより、万が一履歴書から写真が剥がれてしまっても確認しやすくなります。
履歴書の写真枠から大きくはみ出した写真や、背景が派手な写真などを使ってしまうと、採用担当に「この人は社会人マナーが分かっていないのかな?」と疑問を持たれてしまいます。
最低限のルールを守って、採用担当に不要な悪印象を与えないようにしてください。
男性編:履歴書写真にふさわしい身なり
転職の履歴書写真は、社会人らしい身なりで撮影するのがポイントです。ここでは、男性が好印象な写真を撮影する際に押さえておくべき身なりのポイントを紹介します。
服装
- 黒または紺のスーツ
- ネクタイは必ず着用する
- シャツのボタンは全てとめる
スーツはスタンダードな黒色か、濃いめの紺色が一般的です。写真を撮影する際は、シャツのボタンを最後まで締めて、ネクタイも着用しましょう。
髪型
- 清潔感のある短髪
- 整髪料で耳まわりのボリュームを抑える
- 前髪が額にかからないようにする
- 整髪料で髪にまとまりを出す(つけすぎないように注意)
髪型は、清潔感がある短髪が好ましいです。しかし、坊主やスキンヘッドなどは、人相が悪くなる可能性があるのでやめておきましょう。
髪の毛にまとまりを出す目的で整髪料を使います。前髪で額が隠れてしまうと暗い印象になるので、ワックスなどで額を見せるようにしてください。
女性編:履歴書写真にふさわしい身なり
続いて、社会人女性が履歴書を撮影する際の身なりについて紹介します。
服装
- 黒または紺のスーツ
- インナーは白のブラウスまたはカットソー
女性のスーツについても、黒色または濃いめの紺色を選択するようにしてください。
また、インナーは白のブラウスや胸元が開きすぎていないカットソーを選ぶと良いでしょう。
髪型
- 前髪は眉にかからないよう分けるか横に流す
- ロングヘアーは後ろに流すか後ろで結ぶ
- 髪がジャケットの襟を覆わないようにする
- ショートの場合は髪を耳にかける
前髪が眉にかかってしまうと暗い印象になってしまうので、額が自然に見えるように横に流すようにしましょう。
また、髪の毛がジャケットを覆っている写真は清潔感を持ちにくくなるので、後ろに流します。ショートヘアの方は、髪を耳にかけるとより爽やかな印象になります。
メイク
- 清潔感と血色の良さを意識する
- 薄いピンクのリップやチークで顔色を調整
- 目元と口元の周辺はファンデーションを薄くつける
- アイメイクは瞳の色に合わせる
履歴書の写真撮影で意識するメイクのポイントは、清潔感と血色の良さを意識することです。
過度なメイクは悪い印象しか与えませんが、顔色が良くないと暗い印象を持たれてしまいます。薄いピンク色のリップやチークで顔色の血色を調整するのもポイントです。
また、目元や口元は暗くなりがちなので、ファンデーションをつけて写真の中のあなたが、自然な顔色になるようにしてください。アイメイクは瞳の色と合わせることで、自然な感じに仕上げることができます。
メイクのワンポイントアドバイス
- アイシャドーは明るい色を薄めにつける
- 眉毛が濃い人は長さを整える
- 肌荒れが酷い人はファンデーションを若干厚くする
- 目のクマはリキッドファンデーションまたはコンシーラーで補正
- 顔のテカリはあぶらとり紙で事前にとっておく
人によっては、日々の疲れから肌荒れや目のクマが目立つこともあるでしょう。
そんな時は、上記の方法で自然な印象になるように調整してみてください。あくまでも目的は「自然で清潔感のある顔を撮影する」ことです。
履歴書の写真で好印象な表情
履歴書の写真を撮る際に、つい硬い表情になってしまう人も少なくありません。
しかし、あまりにも硬い表情の写真は、怖い印象や暗い印象を与えてしまいます。履歴書の写真で好印象な表情のポイントは以下の2点がポイントになります。
- 歯を見せないで軽く微笑む
- 目線はまっすぐ前を見る
歯が見えている笑顔は、カジュアルすぎる印象を与えてしまいます。逆に全く微笑んでいない表情は、暗い印象になります。
写真に写ったあなたの顔を、自然で健康的に見せるためには少し微笑む意識を持つことを心がけましょう。
また、上目遣いや見下すような目線も悪い印象を与えてしまいます。そのため、顎を軽く引いた状態でカメラに向かって目線がまっすぐになるようにしてください。
プロが教える「良い写真」を撮るテクニック
履歴書の写真を撮る際に、自然で健康的な「良い写真」を撮るためにはちょっとしたコツが必要です。
カメラの前で自然に微笑むことが難しい人も多いでしょう。ここでは、プロが教える好印象な写真を撮る際のテクニックを紹介します。
- 思いっきり笑顔を作ってから口を閉じて微笑む
- 耳と肩の位置が直線になるようにする
- 鏡で姿勢の歪みをみて調整する
思いっきり笑顔を作ってから口を閉じて微笑む
自然な笑顔をしたいと思っても、カメラの前では不自然になりがちなものです。
そんなときは、はじめに思いっきり笑顔を作ってから、口を閉じて微笑んでみてください。この一手間で自然な笑顔を引き出しやすくなります。
耳と肩の位置が直線になるようにする
写真撮影の際に、首が倒れてしまう人や顎が上がってしまう人も少なくないでしょう。
この問題を解決するには、耳と肩の位置が直線になるようにしてみてください。これにより、首と顎のバランスが取れるようになります。
鏡で姿勢の歪みをみて調整する
自分では姿勢をまっすぐにしているつもりでも、体が歪んでいる場合があります。
撮影前に、鏡を見て自分の両肩や首が曲がっていないか確認してください。事前に確認することで、撮影時の失敗する確率を下げることができます。
書類審査で落とされやすい写真のNGパターン
転職の書類審査で悪影響を与えてしまう写真は、誰だって避けたいものです。ここでは、採用側に悪い印象を抱かせてしまう履歴書写真のNGパターンを紹介します。
髪型
- 前髪が眉にかかっている
- ジャケットやブラウスの襟が髪で隠れている
- 寝ぐせや無造作のヘアスタイル
- ジェルやハードワックスによる過剰なセット
写真を撮る際は、額を出したヘアスタイルにしてください。前髪が眉にかかっていると暗い印象になってしまいます。
寝ぐせがついたままの髪型や、ワックスなどで無造作ヘアにするのは採用担当に悪い印象を与えてしまいます。社会人らしくスッキリとまとまりのある髪型にしてください。
男性で髪型を過剰にセットしている人が稀にいます。髪を逆立て尖らせたりすると、社会人らしからぬ写真になってしまいます。
表情
- 上目遣い・見下すような目線
- 無表情・アヒル口
- 派手すぎるメイク
カメラに対して上目遣いをしたり、見下すような目線になると悪い印象を与えかねません。目線はまっすぐ前を見るようにしてください。
暗い印象になってしまう無表情や、アヒル口などは履歴書の写真の場合、良い印象になりません。口は閉じた状態で、口角を少し上げるようにすると自然な印象になります。
明るすぎるチークや暑すぎるファンデーションは、カジュアルな写真になってしまうのでさけてください。
姿勢
- 猫背
- 肩が平行じゃない
- 顔に角度がついている
猫背になると、顎が上がりやすく凛々しい写真に仕上げることができません。
採用担当にとっても「この人はやる気がなさそうだな」と思われてしまいます。撮影する際は、耳と肩の位置が直線になるようにして背筋を正してください。
また、どちらかの肩が下がっていたりするのも印象が良くありません。事前に肩のラインが平行になっているか確認して撮影に挑みましょう。
まっすぐ正面を見て角度がつかないようにしてください。
服装
- ネクタイが曲がっている・緩んでいる
- 襟が曲がっている・立っている
- 私服
- デザインが奇抜なメガネ
ネクタイが曲がっていたり、緩んで隙間が空いているのは社会人としてだらしない印象になってしまいます。
写真を撮影する前に、ネクタイがを整えるようにしてください。ネクタイの歪みは、写真の出来に大きく影響します。
襟が曲がっていたり、立ったままの状態で写真を撮影するのはNGです。採用担当の印象も非常に悪くなってしまうので、襟はしっかり折って写真を撮るようにしてください。
稀に私服で撮影した写真を履歴書に貼り付けている人もいます。転職の履歴書は、アルバイトとは違いますので、スーツで撮影するようにしてください。
奇抜なデザインのメガネは、カジュアルな印象になってしまいます。太い丸縁のメガネやメガネチェーンなどはさけてください。
写真
- 修正しすぎた写真
- 派手な背景のスナップ写真
- 使いまわされた写真
履歴書の写真にも関わらず、過剰な修正をした写真を使っている人がいます。
採用担当からすると「社会人常識が全くないんだな」と思われてしまいます。写真の修正は、気が付かない程度に留めましょう。
柄のある背景やビビットカラーの背景で撮影した写真は、社会人マナーに反します。悪い印象を与えないためにも、背景は白・ブルー・グレーの中から選択するようにしてください。
シワのある写真や、汚れている写真は採用担当に「これは使いまわしてるな」とすぐにバレてしまいます。履歴書を作る際は、必ず未使用で綺麗な写真を使うようにしてください。
採用担当が履歴書をチェックする際に、まず目がいくのは写真です。
履歴書写真の撮影方法
履歴書の写真を撮影する方法は、主に3つあります。
- 写真館やカメラ店で撮影する
- スピード写真を利用する
- 自撮りする
写真館やカメラ店で撮影する
写真館やカメラ店では、本格的な機材を使って写真を撮ってもらうことができます。単純に撮影するだけでなく、写真のレタッチ(修正)までしてもらえるのが特徴です。
また、撮影した写真はデータとして受け取れる店舗も多く、必要になった時に新品の写真として現像することもできます。
スピード写真を利用する
転職活動で最も多く利用されている写真の撮影方法がスピード写真です。
すぐに撮影できる手軽さと、平均価格が800円ほどという安さが特徴です。写真のクオリティは、写真館には劣るものの最近では、綺麗な仕上がりにできるスピード写真も増えてきました。
スピード写真の難点は撮影回数に限りがあることや、椅子の高さや目線の調整を全て自分で行う必要があることです。
失敗する確率を最小限に抑えたい人は、写真館で撮影してもらうことをおすすめします。
自撮りする
履歴書の写真にはおすすめできない方法ですが、どうしても時間のない人や、スピード写真が近くにない人はスマホなどで自撮りすることも可能です。
クオリティは3つの撮影方法の中で一番低いです。
目線もまっすぐになるように注意してください。撮影後にアプリで過剰な加工をするのはやめましょう。
スピード写真のクオリティを上げるテクニック
転職の履歴書写真の撮影方法で最も多く利用されているスピード写真ですが、カメラマンが撮影してくれる写真館と比較するとクオリティに差が出ます。
しかし、現職や転職活動が忙しくて写真館まで足を運べない人も少なくないでしょう。
そこで、ここではスピード写真のクオリティをアップさせる、プロならではのポイントを紹介します。
- スピード写真のガラスを綺麗にする
- 椅子の高さを若干上げる
- 黒ジャケットに白シャツでコントラストをつける
- 白のハンカチを膝に置いて照明効果アップ
スピード写真のガラスを綺麗にする
スピード写真のカメラが設置してあるガラス部分は、手垢などで汚れていることも少なくありません。
撮影を開始する前に、乾いた布などでガラスを綺麗に拭き取りましょう。これによって、ノイズの少ない写真を撮影することができます。
椅子の高さを若干上げる
スピード写真は、目線をまっすぐにするのが意外に難しいです。
顎が前に出ていることに気づかないまま撮影してしまう人も少なくありません。1人で写真の出来を判断するのは、難易度が高いものです。
黒ジャケットに白シャツでコントラストをつける
スピード写真の照明は、写真館に比べて弱いです。そのため、写真館で撮影した写真ほどメリハリのある仕上げになりません。
この問題を解決するには、黒のジャケットと白シャツを着用するのがおすすめです。
これにより、照明が弱いスピード写真でも、コントラストの効いたメリハリのある写真に近づけることができます。
白のハンカチを膝に置いて照明効果アップ
スピード写真では、下からの照明も弱くなっています。下からの照明が弱いと目元のクマが目立ってしまったり、顔に影ができてしまいます。
写真を撮影する際は、膝に白のハンカチなどを広げて置いてください。天井の照明がハンカチに反射して、下からの照明効果を得ることができます。
スピード写真は、服装や姿勢などを一工夫することで、できあがった写真のクオリティをアップさせることができます。
写真館ほどではないものの、少しでも良い写真に仕上げたい人は上記の方法を試してみてください。
撮影が終わって写真が現像されたら、NGパターンになっていないかしっかり確認しましょう。
目線、表情、姿勢から服装の乱れなどがないか確かめてください。スピード写真は全て自分で行わなければならないので、ミスを犯してしまいがちです。
採用担当に悪い印象を与えないように、注意を払っておきましょう。
まとめ
転職活動で、企業の採用担当がはじめてあなたを認識するのは履歴書です。
なかでも、まず視線が行くのは写真です。写真に写っている顔を見て採用担当は、あなたがどんな人物なのか想像します。
履歴書の写真で社会人として最低限守るべきポイントは、
- 写真のサイズ:タテ4cm × ヨコ3cm
- 3ヶ月以内に撮影したもの
- 背景は白・ブルー・グレー
- 写真の裏には名前を書く
ということを忘れないようにしましょう。
また、写真撮影でやってはいけないNGパターンも紹介しました。
- 前髪が眉にかかっている
- ジャケットやブラウスの襟が髪で隠れている
- 寝ぐせや無造作のヘアスタイル
- ジェルやハードワックスによる過剰なセット
- 上目遣い・見下すような目線
- 無表情・アヒル口
- 派手すぎるメイク
- 猫背
- 肩が平行じゃない
- 顔に角度がついている
- ネクタイが曲がっている・緩んでいる
- 襟が曲がっている・立っている
- 私服
- デザインが奇抜なメガネ
- 修正しすぎた写真
- 派手な背景のスナップ写真
- 使いまわされた写真
このように履歴書の写真には、注意するべきポイントが複数あります。写真を撮影する際は、ミスがないか何度も確認するようにしてください。
凛々しく清潔感があり、健康的な印象の写真は、社会人としても好感度があがるはずです。
悪い写真を使って、書類選考に落ちるような痛いミスをしないためにも、ぜひ「受かる写真」を意識して撮影してみてください。