転職サイトを使った転職活動では、希望にあった求人をいかに効率よく見つけられるかが転職成功のカギを握っています。
そこで今回は、転職サイトのオファーの種類から利用の仕方、さらには賢いオファーの活用方法をご紹介します。
転職サイトで利用できる「オファー」とは
転職サイトでは自分で求人を検索し、自分から応募するのが基本ですが、転職サイトによっては、転職者のプロフィールを匿名で企業に公開することで、企業側から興味を持った転職者に
「応募してほしい」
「うちの求人を見てもらいたい」
という意思を伝えるメッセージを送ることができます。
つまり、
ということです。
ですが、
「オファーのメールが多すぎてどう返して良いのか分からない」
「オファーのメールから応募したけれど、企業からの返信がない」
というような疑問や悩みを抱える転職者も多いのではないでしょうか。
と捉えてしまいがちですが、
オファーには、自分では探せなかった企業の求人を効率的に探せたり、自分のスキルやポテンシャルに魅力を感じた企業から優先的に選考の案内が届いたりするなどメリットも多くあります。
ですが、オファーの数が多く、逆に1つ1つの企業への対応に時間がとられてしまう可能性があるというデメリットも。
転職サイトのオファーには3種類ある
その種類によって、企業側が求めるものや選考に至るまでのステップが異なる場合があります。
- 企業からのオファー
- 自動送信オファー
- 転職エージェントからのオファー
この3つのオファーについて、それぞれの特徴やメリット、デメリットを見ていきましょう。
1.企業からのオファー
中には、
- 書類選考なし
- 二次面接確約
など、通常の選考フローを飛ばして、いきなり役員との面接ができたり、最終選考に進めたりと、選考を有利に進められるオプションがつけられていることも多くあります。
ということではありませんが、採用担当者が時間を割いて転職者を探している分、他の転職者よりも有利に選考を進められるケースが多いという特徴があります。
ただし、企業側からはスキルや経歴を魅力を感じたとしても、転職者にとっては希望と合っていないケースもあります。
たとえば、
- 前職介護職で介護の資格を持っているが、転職では総合職を希望している
という場合にも、資格欄に介護の資格を記載していると、介護業界からのオファーが届く場合があります。
そのため、直接オファーが来た場合には、
- 自分の希望する職種や業種と合っているか
- 企業側は何に惹かれてオファーを送ってきているか
などをしっかり吟味した上で、応募することが大切と言えます。
メリット
- 書類選考免除や面接確約など選考を有利に進められるオプションがついている場合が多い
- 自分では知らなかった可能性に気付くことができる
デメリット
- 希望していない職種や業種からアプローチがくる可能性がある
- 経歴やスキルによっては、オファーが来ない場合がある
2.自動送信オファー
機械的にマッチングが行われるため、誰にでもオファーが来やすいという点がメリットと言えます。企業側からしても、自動的にオファーが行われるため、応募してくる転職者を増やせるという利点があります。
しかし、自動的にマッチングされている分、中には条件に合わない求人が送られることも。また、大量にメッセージが送信されている可能性があるため、多くの転職者が応募する可能性もあります。
メリット
- スキルや経歴問わずオファーが来やすい
デメリット
- 書類選考免除などのオプションはあまり期待できない
- 希望条件と合っていない求人がくる場合がある
3.転職エージェントからのオファー
転職エージェントは通常、多くの企業とのネットワークを持ち、多数の求人を保有しているため、さまざまな求人を紹介してもらうことができます。
ただ、転職エージェントからのオファーの場合、エージェントとの相性によっては、紹介される求人の質が異なる、という点を理解しておく必要があります。
メリット
- 転職エージェントに相談しながら転職が進められる
- さまざまな求人を紹介してもらえる
デメリット
- 希望に合わない求人をおすすめされることがある
オファーの利用の仕方
オファーの基本的な利用方法については、
- 転職サイトに登録
- プロフィールや希望条件などのレジュメ作成
- スカウトサービス利用設定を行う
- 企業からのスカウトメッセージを受け取る
- 企業への応募
- 選考
- 内定
という流れで行うことができます。
スカウトとオファーの違い
通常は「スカウト」と表記されているサイトが多いですが、リクナビNEXTではオファーという言葉が使われています。
また、エン転職では
- オファー:自動送信オファー(WEB履歴書は匿名公開されない)
- スカウト:企業からのオファー(WEB履歴書は匿名公開される)
など、オファーとスカウトの2つの言葉を用いて、意味を分けているところもあります。
3種類のオファーについても設定から管理できるため、自分が利用したいオファーだけを受け取る設定にしておくことも可能です。
出典:エン転職
他にも、マッチングやプラチナスカウトなど、名称を変えているところもあります。
オファーが利用できる転職サイトリスト
転職サイトによって、利用できるオファーも様々です。
こちらの表を参考に、自分が利用したい思っている、あるいは利用している転職サイトのオファー機能についてチェックしておきましょう。
サービス名 | 企業スカウト | 提携先スカウト |
---|---|---|
リクナビNEXT | ○オファー、応募歓迎 | ○転職エージェントオファー |
type | ○スカウト、応募歓迎 | ○転職エージェントスカウト |
ビズリーチ | ○スカウト、プラチナスカウト | – |
エン転職 | ○スカウト、オファー、応募歓迎 | ○転職エージェントスカウト |
マイナビ転職 | ○スカウト、マッチング | ○転職エージェントスカウト |
CAREER CARVER | ○スカウト | ○ |
キャリトレ | ○スカウト、プラチナスカウト | ○ |
はたらいく | ○「らいく」サービス | – |
イーキャリア | ○スカウト | ○ |
転職ナビ | ○スペシャルスカウト、マッチスカウト | – |
女の転職@type | ○スカウト、条件マッチオファー | ○人材紹介アドバイザー |
とらばーゆ | – | – |
ジャスネットキャリア | – | ○人材紹介エージェント |
Green | ○ | – |
バイトルNEXT | ○スカウト | – |
ジョブチェキ | – | – |
いい求人net | – | – |
介護求人パーク | ○「いいね」スカウト機能 | ○ |
ドクターコネクト | – | – |
保育Fine! | – | – |
ケアジョブ | – | – |
ジョブメドレー | ○企業スカウト | – |
薬剤師求人.com | – | – |
転機 | ○特別オファー | – |
ナース・ジャスト・ジョブ | – | – |
シゴト.in | – | – |
GeekOut | – | ○転職エージェントオファー |
転職会議 | ○オファー | – |
キャリアクロス | ○ | – |
保育士WORKER | – | – |
カイゴWORKER | – | – |
保育のお仕事 | – | – |
キャリコネ | – | – |
ジョブデポ薬剤師 | – | – |
ジョブデポ看護師 | – | – |
Q-JiN | ○スカウト | – |
カイゴジョブ | – | – |
ブラックな企業からのオファーに惑わされない!オファーの見極め方
転職サイトのオファーは使える?使えない?
転職サイトからのオファーを受けたにもかかわらず、選考が上手くいかなかったという方も多いのではないでしょうか。
実際に、転職サイトのオファーを利用した方から疑問の声は多く上がっています。
転職サイトでオファーが来たので、書類を送ったら、書類選考で落ちた。書類選考で落とすなら初めからオファーしないでよっ!
— やいち(磯野 弥一郎) (@yaichi_iso) December 22, 2010
転職サイトからオファー来た会社の書類選考に落ちた時のなんやねんお前感
— ヰツミ🐉🦇 (@itisme_M) August 8, 2019
前述したようにオファーには種類があり、無作為に送られているケースも多く、
ではありません。
オファーの見極め方
オファーの見極め方には、5つのポイントがあります。
1.面接日の指定があるかどうか
優秀な人材はそれだけ他の企業からも注目されている可能性があります。
他の企業に転職者を取られてしまわないためにも、採用担当者が本当に「採用したい」「応募してほしい」と思っている転職者には、選考の進め方や面接日の調整など、具体的な選考の流れについて触れている場合が多い傾向にあります。
2.誰にでも当てはまる文言を書いていないか
特に
- このオファーメールは弊社のお仕事にぜひ興味を持っていただきたい⽅へ、特別にお送りしております。
- コミュニケーション能力に自信がある、〇〇さまにぜひ応募してほしいと考えております。
などと書いてあった場合、「特別にお送りしている」と一見特別感があるように書いてありますが、特別に送っているかどうかは定かでありません。
「コミュニケーション能力」や「社会貢献」などのワードは、長所や志望動機として誰にでも当てはまりやすい部分です。
さらには、メール文面に入っている名前にも注意が必要です。
名前が入っていない、あるいは名前の部分が「〇〇」のままというメールは論外ですが、「田中様」などと入っていても、名前が自動挿入されている可能性もあります。
3.「未経験OK」「大量募集」などの文言があるか
- 未経験OK
- 大量募集
という文言が書かれているオファーをよく受け取るという方も多いと思います。
採用率は確かに高いと言えるかもしれませんが、未経験の転職者を多く受け入れるということは、それだけ「人員が不足している」ということでもあります。
給与面や待遇面が期待できない可能性もあるため、
- 未経験でもできる!
- すぐに転職が決まる!
などと安易に飛びついてしまわないよう注意しましょう。
4.具体的なオファーのポイントを書いているか
オファーをしてきたからには、採用担当者が惹かれたポイントがあるはずです。
たとえば、
A:あなたの経歴を拝見し、メッセージをお送りさせていただきました
B:あなたの〇年間の営業経験に惹かれ、ぜひお会いしてみたいと思い、メッセージをお送りさせていただきました
のように書かれていた場合、Aの経歴はざっくりしており、誰に送った文面でも違和感はありません。
逆に、Bは具体的な経歴について触れており、きちんとプロフィールを見た上で送っているということが分かります。
具体的に
- どこに惹かれたのか
- 何を期待にするのか
などが丁寧に書かれているということは、採用担当者がそれだけ、「求人に興味を持ってもらいたい」と思っている証拠と言えます。
5.担当者の熱意があるか
採用担当者は、毎日何人もの転職者のプロフィールを見ています。そのため、テンプレート化された文面でオファーを送ることもあります。その方が効率よく多くの転職者とやり取りができるからです。
前述した
-
- 面接日の指定があるかどうか
- 具体的なオファーのポイントを書いているか
この2つのポイントも大切な要素でありますが、これがどれだけ自分の言葉で書かれているかがポイントとなります。
採用担当者も人間です。採用度が高ければ高いほど、「きちんと意思を伝えよう」「丁寧に返そう」という意識が働きます。
- 営業の中で〇〇という実績を持っており、弊社でも活躍してもらいたいと思った
- 〇人のマネジメント経験があり、周りからの信頼も厚いため、一緒に働きたいと感じた
オファーの見極めで転職活動が有利に
転職サイトのオファーの中には、採用担当者が実際に経歴やスキルを見た上で特別にオファーをしているケースもあります。
オファーを受けて応募することで、他の転職者に有利に転職活動を進められる可能性もあります。
オファーの賢い利用術
オファー利用で効率よく転職活動が進められる
転職サイトでは、求人の検索をはじめ、応募や面接日の調整などを自力で行う必要があります。
自分のペースで転職活動を進められるというメリットもありますが、自分で求人を検索して応募して・・・とやっていると、その分時間がかかるものです。
オファーを賢く利用することで、自分で探さなくても求人が見つけられるほか、自分では考えていなかった職種や業種への可能性が広がるチャンスを作ることもできます。
オファーを受けることで、自分の市場価値を見つめなおすこともできます。
オファーを賢く利用する方法は5つあります。
1.基本情報は定期的に更新する
採用担当者は
- 今登録されている情報がいつの情報か
- 転職活動を現在行っているのか
というところも見ています。
2.レジュメやスキルはしっかり記入しておく
応募の際に後から自己PR文は直せばいいと適当に記入してしまうと、企業からの直接オファーを受けにくくなってしまいます。
特に
- 自己PR
- スキル
はきちんと記入するよう心がけましょう。
特に資格が必要な介護や看護などの職種の場合には、転職希望に関わらず、各業界からアプローチがかかる可能性があります。
3.ブロック企業を設定しておく
特に在職中に転職活動を行う際には、匿名の履歴書とはいえ、その経歴などから勤め先にばれてしまう可能性もあります。
4.複数の転職サイトのオファーを利用する
1つの転職サイトでは、扱っている職種や業種、企業が限定されてしまいます。
1つの転職サイトをメインで使いつつ、サブとして使っている転職サイトはオファーを中心に利用するなどの使い方もおすすめです。
5.「興味あり」「気になる」登録は積極的に行う
転職サイトによっては「興味あり」「気になる」など、応募前に企業への関心度を伝える機能を持っています。
逆に「興味あり」と送っても反応がない企業だと、実際に応募しても書類選考を通過しないこともあります。
オファーに関するQ&A
企業からのオファーメールは採用担当者が返事を待っている可能性もあります。
絶対に応募しない求人であれば、メールを返さなくても問題ないですが、後々受ける可能性が少しでもあるならば、迷っている段階でもメールの返信をおすすめします。
すぐに応募するわけではなくても、
- 選考内容の詳細を聞きたい
- 業務内容を詳しく知りたい
などの返信でもOKです。
公開されているプロフィールや経歴を見ただけでは、転職者の実際の人柄や考え方は分からないため、オファーの段階では他の転職者よりも有利という程度でしかありません。
まとめ
転職サイトのオファーには、
- 企業からのオファー
- 自動送信オファー
- 転職エージェントからのオファー
の3種類があります。
また、ただオファーが来るのを待っているだけではなく、より自分にとって有利なオファーを受けるためにも、5つのポイントをおさえて、オファーを賢く利用することも重要です。
- 基本情報は定期的に更新する
- レジュメやスキルはしっかり記入しておく
- ブロック企業を設定しておく
- 複数の転職サイトのオファーを利用する
- 「興味あり」「気になる」登録は積極的に行う
オファーを受けることで、自分では探せなかった求人を見つけられたり、時には自分の新しい可能性が広がることもあります。
オファー機能で、自分では探せなかった求人も見つけられるため、
という方は本記事でオファーの使い方をマスターして、オファーを上手く活用して転職活動を進めましょう。